見出し画像

温泉ソムリエの温泉漫遊記 有馬温泉 その1

 みなさん、温泉はお好きですか。
 昨年末、久々に有馬温泉へ行ってきました。
 有馬温泉は、白浜温泉や道後温泉と並び日本三古湯に数えられる名湯なのですが、やや訳ありなのでなかなか食指が伸びませんでした。
 しかし昨年の末、年末年始の休診日を決めきれずモジモジしている間に城崎温泉や香住・鳥取などの宿が埋まってしまい、消去法で有馬温泉へ行くことになったのですが……。
 とにかく、年末の有馬は高い!
 楽天トラベルで検索したところ、有名どころの有馬◯◯ンドホテルや兵衛向◯閣は、見たことのないおよそ現実的ではない値段。清水の舞台どころか京都タワーから飛び降りる覚悟でないと、とてもとても。
 だがしかし、亀の井ホテルが空いていました。それとて普通に考えると相当高いのですが、酷い値段に目が慣れて安く見えてしまったのです。

有馬温泉街の奥まった所にあります
元かんぽの宿なので玄関脇にはポストもありました

 亀の井ホテルは全国のかんぽの宿をリニューアルして営業しているホテルチェーンです。若い人は知らないかもですが、かんぽの宿は日本郵政が所有していた保養施設です。そのため、バブリーな時代に開発されていたこともあり、宿のデザインは古いものの、湖畔や海辺の1等地に宿があったり、独自の泉源を持っていたりとなかなか侮れない宿も交じっているのです。
 この亀の井ホテル有馬も例に漏れず、良い泉源をお持ちでした。詳しくはその2にて詳述。
 有馬温泉は神戸市北区。すなわち市内の移動なので、お昼ご飯を自宅近くのうどん屋で済ませてから向かっても4-50分で着いてしまいます。かと言って一旦自宅に戻って時間潰しするのもお間抜けなので、うどん屋さんから直行したところ、やはり早く着きすぎました。
 ロビーに座って時間潰しするには持て余すほどの時間があったので、フロントに荷物を預けて有馬の街ブラへ出かけることに。
 有馬には幾つか泉源があるので、ひとまず泉源巡りをする事にしました。

有馬温泉観光案内図
上側が有馬温泉の入り口

 有馬には炭酸煎餅をはじめ温泉饅頭など有名な食べ歩きスポットがわんさかあるのに、何故わざわざ泉源巡り?と思う人もいるでしょうが、温泉ソムリエとしては、街なかに幾つも泉源があるなんてこんな美味しい状況はそうそう無いので泉源巡り1択です。 
 まずは亀の井ホテル近くの炭酸泉源へ。メインの温泉街から離れた所にあるので観光客はまばら。

蛇口から源泉が出てきますが……

 泉源には蛇口が取り付けられていて、捻ると炭酸泉が出てきて飲めますよとのこと。飲まない理由はないので早速試飲してみます。蛇口を捻ってチョロチョロ出てくる温泉水を手にすくって一口舐めてみると。ん? 不味い……。かなり不味い……。確かに炭酸水ではあるものの校庭の鉄棒の味がする……。近くの説明書きを見てみると、含二酸化炭素・鉄ー単純冷鉱泉と書いてあります。そりゃ、鉄棒の味がするはずです。確かにシュワシュワしていましたが、お代わりする気は起きません。気になる人はひと舐めしてみて下さい。
 そして、次に向かったのは有馬で一番有名な天神泉源。
 炭酸泉源から北に上がって、人でごった返す目抜き通りからわき道に入ったところにあります。

すんごい人出でした

 天神泉源というだけあって、泉源は天満宮の境内にあります。

鉄分ダダ洩れのため あちこち着色しています
高温の湯気が噴出

 テレビで出て来る有馬の泉源はだいたいここで撮影されています。湯温は驚きの99.4度。火山でもないのにこの高温でいろいろな泉質の温泉が湧いているのは、非常に珍しいそうです。そして溶存物質が高濃度のため、パイプは1週間もすると詰まり始め、このメンテナンスに非常に手間がかかるとのこと。
 そのあと、お決まりの金の湯へ。
 時間が余っていたので、あわよくば入ってみようかと思っていたのですが、甘かった。

訳わからんくらい混んでました

 金の湯は長蛇の列。館内にも入れない人が溢れていて、全く動く気配がないので諦めました。
 その後、温泉街をぐるぐる漂って時間を潰して、亀の井ホテルに戻りました。
 今回は3000字を超えたので、2分割。
 次回は、ようやく亀の井ホテル編。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集