製作ノート(38) 韓国の茶文化について
アンニョンハセヨ〜。
キャスト&制作チームの大石です。最近は、「さっさんの韓国語講座」や「小劇場で使えそうな韓国語勉強会」の他に、「Drops」というスマホアプリを使って韓国語を勉強しています。
さて。「韓国のこと知りたい」という勉強欲で『ケソン工業団地』に行って来たことは、先日の「『ケソン工業団地』レポート」に書きましたが、まだまだ欲は尽きず、11月20日、京都韓国教育院で開催された歴史講義「朝鮮後期の文化と芸術」に参加してきました。
勉強した内容は、文学、音楽、建築、工芸(磁器)、そして茶道です。
特に「文学」について知りたいと思って行ったのですが、最後に茶道の話を聞けたのは嬉しい誤算でした。
どの内容も、僕は初めて知ることばっかりだったのでめちゃくちゃ興味深かったのですが、全て書いてしまうと膨大な長さの記事になってしまうので、せっかくなのでここは「茶道」に絞って、勉強した内容を紹介したいと思います。
これを読んで、公演を観た際には日本と韓国の茶道の関係についても思いを馳せていただけると嬉しいです…!
【豆知識】
「茶」という字は、元々「荼」(ダ)だったらしいです。この荼という植物は、体のもつれを解きほぐして心にゆとりをもたらし、良い人間関係を作るという意味を持っているようです。この「荼」という字は他にも“曼荼羅”や“荼毘”(火葬の意)にも使われていて、仏教的な意味合いが強いようですね。
また、「茶」は長寿を意味するようです。まず艹(草冠)は“十”が2つで二十、つくりの部分は八十八なので、合わせて108になる、なので108歳の事を「茶寿」というらしいですね。僕は白寿までしか知りませんでした。
多くの薬効があるお茶ですが、名実ともに長寿のシンボルなんですね。
【韓国茶道】
韓国では、三国時代末には茶はあり、貴族層を中心に茶道が流行していました。その後、紆余曲折あり、19世紀初めに茶聖と呼ばれる草衣禅師(チョイソンサ)という人が出てきます。草衣は『東茶頌』という本を書き、茶の栽培方法など、茶道の理論面や実際面などを整理して発展させました。日本で言うところの村田珠光的な存在の人ですね。
草衣は茶道だけでなく、詩・書・画・禅の分野でも素晴らしい業績を残し、今日までで最高の境地に至った人物として語り継がれています。
草衣は『東茶頌』で茶道について
①摘むことにその妙を尽くし
②創ることにその精を出し
③水は真水を得
④沸騰に際して中正を得ると
⑤体と神がお互いに交わり
⑥堅実さと神霊が調和する
としました。
つまり、真心を込めて作られたお茶で、良い水を使って、適度に沸騰させて淹れることを最高としたわけですね。
韓国でお茶の名産地といえば宝城(ポソン)ですが、草衣の出生地である務安(ムアン)はお茶の聖地とされているようです。
いつか訪れたい場所がひとつ増えました。
この記事を書いていて知ったのですが、『野村美術館研究紀要 第22号』に、草衣や韓国茶文化についてもっと書かれているようです。
もっと韓国の茶文化について知りたいと思っていただけた方にはぜひこちらも一読いただければ、と思います。僕もこれから読んでみます。
それでは、みなさんとKAIKAでお会いできることを楽しみにしています。
アンニョンヒカセヨ〜。
2019年12月19日
大石達起
劇団衛星『珠光の庵〜遣の巻〜』韓国語版
2020年2月8日〜11日 会場:KAIKA
●チケット発売中です。
https://dbf.jp/fueki/kaika/200208/
●応援福袋も販売してます。お力貸してください。
http://www.jukou.info/fukubukuro.html
劇団衛星の活動継続と公演の実現に向けて、みなさんのサポートを、ありがたく受け取っております。応援ありがとうございます。