イタリア学者云々
藤澤房俊著『ガリバルディーイタリア建国の英雄』(中公新書)を読むと、明治政府はかなりイタリアを重要視しており、イタリアに雄藩の名門出身者を派遣したりイタリア語研究を盛んにしていたようで意外でした。その中でガリバルディは特別な英雄として日本でも尊敬されていたようです。
日本もイタリアもそれまで分裂状態だったところから、何とか近代国家へと舵を切れた国としてシンパシーがあったのでしょう。お雇い外国人として美術ではラグーザやフォンタネージなども来日しています。
しかし日清戦争に勝って列強の仲間入りを果たそうとする日本は、少しずつイタリアを見限り始めます。決定的になったのは1896年のアドワの戦いです。イタリアがアフリカのエチオピアに敗北し、植民地を獲得できなかったことを機に、イタリアを切って、完全に英独仏へ切り替えるのです。
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