詩を読もうという話
画家のモディリアーニの伝記的映画として非常に有名な『モンパルナスの灯』(1958)という映画があります。監督はジャック・ベッケルで、貧しいながら芸術にひたむきに生きた男の純粋な生を、名優ジェラール・フィリップが演じています。
映画自体は時間の無駄だと思わないものの、特別記憶に刻まれるものとはいえず普通なのですが、作中の大コレクターに自分の作品を売り込みにホテルへ行ったシーンで、付き添いの友人が「彼(モディリアーニ)は詩人にしか絵画は分からない、という古典的な考えの持ち主でして」と言って、彼の絵画の前衛性に困惑していたコレクターをさらにイラつかせるのです。
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