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写真についての所感のようなもの

 写真は芸術である、という権威醸成を拙速に急いだせいか、この方面の理論的な話はほとんど成熟していません。個々の写真家の「私はこう思う」以上のものは読めないどころか、写真についてではなくそこに映る被写体についておよび、社会思想の分析に行ってします。

 有名なスーザン・ソンタグの『写真論』であっても、一通り写真作品に触れたと思いきや、アメリカの社会についての討論に移っており、厳密な意味での写真論ではありません。

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