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【妻の床屋さん】

僕はいつも家内に髪を切ってもらっているのだが、数ヶ月前、珍しく〈床屋〉に行ってプロに散髪してもらった。

真夏だった。暑い日が続いていたので、オーソドックスな7:3分けの髪を、思い切ってスポーツ刈りにした。

それが存外似合っていたのだ。

・・・・・・・

あれから数ヶ月が経って髪も伸びてきたので、家内に散髪をしてもらうことにした。

「こないだみたいにサッパリと短く切ってくれるかぁ?」

「父さん大丈夫?そんなに切って」

「大丈夫、大丈夫❗️薄くなってきてるトップを特に思い切って短くしてくれるかぁ・・短いと髪が立って薄いのが目立ち難くうなるんじゃ」

家内は電気バリカンを駆使して髪を刈り上げていった。奮闘すること十数分・・・どうやら終ったようだ。

家内が手鏡を手渡して感想を訊いた。

「はいっ❗️ど~ぉ?」

鏡を覗いた僕は驚いた。

「うわっ❗️なんじゃこれっ❗️」

さすがにトップを切り過ぎて、僕は〈やだもん〉になっていたのだ。

(やだもん:NHK教育テレビ( Eテレ)のキャラクター  作:有賀  忍 より引用)


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