短歌5

いきること下手だと知ったあの日から 上手く笑えているのだろうか

自分でも分からぬ空洞を抱えては 逃げて隠れて消費する日々

まじまじと見つめるてのひら ものと化し だれの手なのか分からなくなる

苦しみは所与のものだと学んだが ならば空虚はどこへゆくのか

心の火 口からだせば歌となり とんでくれぬか空高くまで

水滴がひかってみえる午前四時 朝はまぶしい 目も開かぬほど

「助けて」と声あげるのも憚られ いつのまにやら大人になった

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