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「ギーク中国語」やってます #未来のためにできること

今でこそ、中国語を学ぶエンジニアは珍しくはないけど、一緒に深センに行って仲良くなった人から「中国語を勉強してみたい」と言われた時、「このチャンスを逃すものか」と思った。今になって思えば、私が慌てたりなんかしなくても、スキルの更新を怠らないまともなエンジニアが「中国語やっとかないとダメだよね?」となるのは時間の問題だった。ただ、当時の私の周りには中国にまるで興味のないエンジニアと、テックにさほど興味のない中国語学習仲間ばかりだったから、何としてもエンジニアである彼を中国語学習に引き込みたかったのだ。

でも、多くの中国語クラスでは、まず発音から練習する。次に発音記号であるピンイン。これらは外国人が中国語を学ぶ上での基礎だ。でも、深圳で中国語に興味を持ったエンジニアが求めるものではない、ということが私にはよくわかっていた。延々と繰り返される声調の練習や、数百通りあるピンインを叩き込まれているうちに、きっと彼の中国語への興味は冷え切ってしまう。それなら自分で教材を作って勉強会をしよう。そうして「ギーク中国語」の活動は始まった。

毎週1回、SNSで告知して、集まった人たちと勉強会をする。そんなところから始まって、他のエンジニアコミュニティと共催で勉強会をやったり、検定試験のHSK対策講座をやったり、参加者の希望も聞きながら、ごく自然に活動の輪は広がっていった。開催場所も多くのIT系企業の方の協力を得て無償で提供していただいた。そして何より勉強会に参加してくれたエンジニアが中国に行って「〇〇が通じた!」「△△が聞き取れた!」と学習の手応えを感じてくれることがたまらなく嬉しかった。

コロナ禍以降、対面での勉強会を諦めてオンラインに力を入れてみたものの、以前のようなムーブメントを作れず、停滞して苦しい時期もあったけど、IT中国語の本を出版したことをきっかけに、最近では「ギークな中国語をまとめて発信する」活動に力を入れている。世界は今、日本人の私たちが思っている以上に中国テックに注目していて、四苦八苦しながら中国語を学んでいる欧米のエンジニアは少なくない。そんな中、漢字に慣れている日本人エンジニアのアドバンテージは大きく、世界で大きな存在感を示せるようになると信じている。そのほんの少しの手助けができるよう、私はこれからも「ギーク中国語」の活動を続けていくのだ。

頒布した同人誌表紙


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