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パリ・オペラ座の日々1993~1994:11月18日 Rosas(ローザス)


11月18日

朝起きたら(G)はやっぱり風邪気味。午前中は寝続けて、結局FIAPを休んでしまった。初めてのお休みで悔しくて残念。。午後は「目覚めの時」というフランス版ハーレクインロマンスみたいなのを読む。軽くてあんまり面白くない。

夕方はRosasを観にオペラ座へ。期待していたのだけど、いまひとつ入り込めなくて困ってしまった。モーツァルトを使った2時間なんだけど、どうにも退屈で困った。

八百屋 21F
プログラム 50F


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さて、ローザス(Rosas)。ベルギーのブリュッセルを拠点に活動するダンスカンパニーですが、1983年結成ということで、この時の公演はカンパニー10年目の頃でした。

現在では世界のコンテンポラリーダンスをけん引する最重要カンパニーと位置付けられるローザスですが、当時の日本人にとってはまだ馴染みの薄い存在でした。それでもオペラ座のガルニエ宮で招待公演をするわけですから、ヨーロッパではすでに評価が確立した存在だったのでしょう。

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(Anne Teresa De Keersmaeker 2011年の写真)

ローザスは、ベルギー・ブリュッセルにあったベジャール主催の舞踏学校ムードラ(後にスイスのローザンヌに移転)で学んだアンヌ・テレサ・ドゥ・ ケースマイケル(Anne Teresa De Keersmaeker)が1983年に結成したカンパニーです。

ドゥ・ケースマイケルは、ミニマルミュージックを代表する作曲家であるスティーブ・ライヒの音楽を使った「ファーズ(Fase 1982年)」を発表し、そこから音楽と舞踏が独特の距離感を持つ作品を作り続けています。


最初期の振り付け「ファーズ」。単調なフレーズが繰り返されるライヒの音楽に呼応するように、シンプルな振り付けが延々と繰り返されますが、徐々に二人の動きの位相にズレが生じ、そしてまたシンクロする…。寄せては返す波のような舞台。

Wikipediaの記述を引用すると

~舞踊評論家の岡見さえは、ドゥ・ケースマイケルの多彩な作品の根底にあるのは「音楽とダンスの関係性の探求」であると述べている。それは、単に音楽のリズムや雰囲気に合った振付を踊るということではなく、「幾何学や数学の知を使い、楽曲の構造を丹念に分析」することであり、そのことによって「楽曲の原理を抽出し、研ぎ澄まされた身体でそれを自在に増幅」させている、という。ドゥ・ケースマイケル自身、振付の構成にあたって黄金比・数秘術・数列などの考え方を用いることがあると述べている。~



…というような知識を、この1993年にオペラ座で観た時に持っていれば良かったのですが、正直なところ当時の自分たちにはチンプンカンプンな印象でした(笑) コンテンポラリーダンスについてまったく知識不足で、ストーリー性、意味性を排除し、音楽的な高揚感からも離れようとする舞踏というのは、どうにも戸惑ってしまいました。6月にフォーサイスを観ているわけですから、このローザスにそれほど困惑する理由も無いようにも思いますが、とにかく消化不良の一日でした。


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曲は全編モーツァルト。1992年のアヴィニヨン演劇祭で発表された演目、と書いてあります。

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↓ こちらの記事はローザスの創作原理について、とても丁寧に解説された素晴らしい論考です。ご興味ある方はぜひ。


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