
パリ・オペラ座の日々1993~1994:2月14日 パリ・オペラ座「ニジンスキー」③
2月14日
午前中は少し勉強して、夕方からバスチーユのマリブーに行ってバスローブをもらう。そのままサン・ジェルマンまで行って、バレエ関係の古本屋を物色。1977年の「Hommage a Serge Lifar」のプログラムとか売ってた。ディアギレフ関連などたくさんあったが、いずれも高価で諦める。
そのままオペラ座へ移動して、マックで食べてニジンスキーの3回目。バレンタインのためか、会場入口でミモザの花束をプレゼントされた。
ティル・オイレン・シュピーゲルだけは消化不良だけど、他はどんどん良くなる。春の祭典の奥深さに感動が止まらない。終演後は、S女史のお仲間4人とみんなでEntreactでおしゃべり。楽しい一夜。タクシーで帰宅。
マック 49F
カフェ 58F
タクシー 80F
左岸の本屋さんでバレエ関連の書籍を物色。神田の古書店街と同じように、それぞれのお店に得意分野があるみたいです。
これはその時購入したものではないんだけど、1985年5月のパリ・オペラ座バレエのプログラム。ヌレエフが芸術監督の時代ですね。演目は、ノイマイヤーの「Vaslaw」、バランシンの「agon」、リファールの「les mirage」など。
夜のオペラ座では「ニジンスキー」の3回目でした。
この日のティル役はパトリック・デュポン!!!これはもう最高のキャスト。デュポンはこういうの本当にぴったりです。
「ティル・オイレン・シュピーゲル」はなかなか不思議な演目でした。ティルは14世紀のドイツに実在したとされる伝説の奇人で、様々ないたずらやとんちで人々を翻弄し、やがて処刑(または病死)された人物とされています。
口承で伝えられてきた様々なエピソードが、15世紀になって「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」という書籍にまとめられました。重苦しい中世的な舞台設定に、突然軽やかにティルが登場して権力者や教会をからかって翻弄します。一見ハチャメチャなティルの行動は、封建的な社会の中で息が詰まるような生活をしていた当時の人々の気持ちを代弁しているのかもしれません。
(1500年代の版画でのティル)
ここに少しだけ映像がありました。