1/43レジンキットの製作マニュアル-4
第4章
【完璧なるデカール貼り】
タイトルに『完璧』の文字を入れたのにはワケがあって、このデカール貼りが中途半端だと、後でクリアーをオーバーコートしたときに溶けたり、割れたり、シワが寄るなどのトラブルが生じるからです。ここで紹介するマークソフターとドライヤー(または蒸しタオル/熱々の綿棒)を使った貼り方なら、デカールのフィルムが塗装面に強力に貼り付き、トラブルとは無縁でいられます。
1/43スケールならではの注意点として、スポンサーマークやロゴが実際より大きめに印刷されていることがあるので、貼る場所を決める際は、周辺のデカールとの相対的な位置を優先するほうが良い結果が得られるでしょう。
またデカールを貼る順序としては、まず大判のデカールを貼り終えてから、徐々に小さなスポンサーマークに移っていきます。完成後に目立ちそうなボンネットとルーフは、デカールの扱いに慣れた後半戦に回して、序盤は多少ミスしても目立たないテールや右のリアから貼り始めるといいでしょう。小型のマークなどを左右対象に並べる場合、マスキングテープの細切りで補助線を引き、それを基準に貼ると作業が楽になります。
【クリアーを吹いてみる】
デカールを全て貼り終えたら、ボディの表面に残ったノリと汚れを中性洗剤で洗い流します。ここで万が一、デカールが剥がれてしまうようだと、続くクリアーコートでトラブルが出ます! もう一度マークソフターとドライヤーを使ってやり直しましょう。
クリアーの吹き方ですが、最初はやや遠目の距離からパパっと吹いて乾燥させます。次にボディとスプレーノズルを少し接近させて、やや厚めに吹き付けていきます。「厚め」といっても、一度にドバっと吹いてしまうと、デカールが塗料の溶剤成分によってふやけた感じになるので注意が必要です。吹き付けの回数の目安としては、1-2時間のインターバルを置いて3回くらい。デカールと塗装面の段差が埋まるくらいまで吹き、風通しの良い場所に置いて乾燥させます。
※ 缶スプレーの注意点:「クリアーの缶スプレーを吹いた後、塗膜の中に細かい気泡が残ったまま固まってしまった」という話を耳にします。この細かい気泡の正体は、スプレーの霧の中に含まれている生ガスで、たいていはスプレーとボディが近すぎるのが原因! 生ガスが気化する前にボディに到達して固まってしまうのです。
あとは作業中の気温が低かったり、塗装の直後に赤外線ランプなどで急激に乾燥させても気泡が発生します。対策としては第2章でも触れましたが、缶をじゅうぶん温めてから吹くこと。これによって生ガスの気化が促され、気泡の発生を防ぐことができるのです。気温が30度以上なら問題ありませんが、それ以下の条件ならお湯で温めてから塗装することをおすすめします。
【コクピット、小パーツの塗装】
ボディの乾燥を待っている間に、コクピットやシャシー、ステアリングやシートといった小物パーツを塗装します。パーツの表面が荒れている場合は、サーフェイサーやパテを使った下地処理が必要です。そうでない場合は直に塗料を乗せてしまっても大丈夫でしょう。
ハコ車の場合、完成後に目立つのはダッシュボードの天面とステアリングくらいですから、あまり気合いを入れず、筆塗りであっさり仕上げるのもありだと思います。