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ベトナム革命志士 潘佩珠(ファン・ボイ・チャウ)自伝『自判』⑦『年表・第二期(1900年~)・曾抜虎(タン・バッ・ホー)
ベトナム革命志士 潘佩珠(ファン・ボイ・チャウ)自伝『自判』
ベトナム志士義人伝シリーズ
本の登場人物・時代背景に関する補足説明(7)
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曾抜虎(タン・バッ・ホー)
それから間もなく、北圻からやって来たタン・バッ・ホー氏がテウ・ラ先生邸に到着した。 私と彼の一番最初の面会だった。バッ・ホー氏は年齢40歳過ぎ位で髭の剃跡蒼々と、全身から漲る英気は一瞥して勇猛歴戦の志士だと判った。
お互い座して話を始めると、彼は外国情勢を詳細に語り、話は現在の支那政界要人にまで及び、筋道を立てて説明し、明朗に話を進め、語り聞かせる。ここで彼に出会えたのは天恵だった。私から日本渡航の計画を打ち明けると、彼は言下にこれを承諾し、加えて言うには、
「我ら2人共が外国に行けば、どちらか一人が祖国との間を往来し、国内の消息やその他の連絡を途切れさせない必要がある。だが、その任務は容易ではない。長年鍛錬され艱難に耐え得る忍耐力が必須、且つ実務経験が豊富でなければ担うは到底無理でしょう。」
その場に同席していた鄧子敬(ダン・トゥ・キン)氏とテウ・ラ先生も、バッ・ホー氏の意見に同意だった。バッ・ホー氏は、年齢40歳余で勤皇党員として数年間も奔走した経験が有り、我が革命党へ新しく入党した同志らの中でも傑出した人物だ。それに、彼はグ・ハイ氏の叔父でもあった。
これで、計画は纏まった。それ以外の国内でやり掛けていた諸々の仕事は、数か月掛けて処理に奔走した。
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