SIは見た No.74『松陰神社、双葉園、雪の日』の場合
私たちは今、どんな時代を生きているのか──。サンデー・インタビュアーズ(SI)とは、そんな問いを探求するロスジェネ世代の余暇活動です。
月に一度の日曜日、7人のメンバー*は84巻あるホームムービー*をひとつずつ紐解きながら、オンライン上で話し、聞き、考えます。
今月(2021年12月)のお題は、No.74『松陰神社、双葉園、雪の日』。さて、そこには何が写っているのでしょうか。メンバー7人の言葉を紹介します。
*本テキストはSIが毎月行うオンラインワークショップの記録です。
*2021年度は公募で集まった7名のメンバーで活動しています。
*ウェブサイト『世田谷クロニクル1936-83』をご参照ください。
00:34
「縄跳びに興じる女の子。路地もきれいにアスファルト舗装されている。奥の塀はコンクリート塀だが、手前(女の子の横)は昔懐かしい板塀のまま。当時、僕は8歳。この頃は縄跳びが流行っていた気がする。いろいろな跳び方を競い合ったものだ」
「ビニール縄跳びじゃないと軽くて回転しにくいから飛びにくそう。女の子の着ている赤い幾何学模様のベストは、今年まさに同じような感じのベストが大人女子に流行っている」
「わたしが子どもの頃は、縄跳びはビニール製だった。脚にあたると痛い記憶しかない」
「僕の子どもが『縄跳びやりたい』と言ったら100均に行くだろう」
04:06
「女の子は動物の顔のついた、毛皮のマフラーを着けている。小学生の女子に人気だったマフラーで、わたしの地元では“ムクムクちゃん”と呼んでいた」
「『初詣は松陰神社』と紙に書かれた看板が見える。紙に手書きされているのは珍しい」
「元旦だけど、そのわりには人出が少ないような気がする」
「松陰神社の鳥居。映像では白いけど今は新しくなって黒い」
「撮影者のズームの使い方が気になった」
09:17
「麻雀のセットアップがお上手」
「和装の男性。かつては親戚に一人は必ず和装の人がいた。僕の伯父もそうだった」
「緑色のフェルトが貼ってあるこたつテーブルも定番だ。まさに家庭麻雀用に緑のフェルトを貼っていたらしい。それだけ家庭麻雀が一般的だったということだろう。今はあまり見ない」
「ビール瓶のとなりに置いてあるものはなんだろう?」
11:28
「ベンチの背に“少年マガジン”、“少女フレンド”の宣伝板が貼ってある。字体が当時を偲ばせる。漫画雑誌の宣伝をベンチの背に貼る発想、今はない」
「ネットで調べてみると、昭和50年当時、『少年マガジン』は手塚治虫、ちばてつや、つのだじろう、赤塚不二夫などの漫画が掲載されていたものの売り上げは低迷していたらしい。『少女フレンド』も大和和紀の「はいからさんが通る」が掲載されていたが、売上は伸びず、昭和49年に週刊から月2回刊に変更されていたようだ。出版形態が変更されてもベンチのタイトルはそのまま」
11:44
「向ヶ丘遊園に竹馬があったとは! 竹馬には上手く乗れなかったことを思い出す」
「昔の子どもたちはふつうに竹馬に乗れた。大人が竹を買ったり取ったいして、作ってくれたのだろうか」
「竹馬がレクリエーションになる時代。大人もやっている。竹はどこで手に入れるんだろう」
16:01
「雪が結構つもっている! このくらい毎年降っていたのか? 大雪だったのか?」
「東京でも時にドカ雪が降った記憶がある。雪だるまを作ったものだった。今は温暖化のせいかドカ雪になることはめったにない」
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次回(2022年1月)は、いよいよ最後のワークショップ。これまでの活動を振り返ります。