SIは見た No.69『新百貨店落成式など』の場合
私たちは今、どんな時代を生きているのか──。サンデー・インタビュアーズ(SI)とは、そんな問いを探求するロスジェネ世代の余暇活動です。
月に一度の日曜日、6人のメンバー*は84巻あるホームムービー*をひとつずつ紐解きながら、オンライン上で話し、聞き、考えます。
今月(2022年8月)のお題は、No.69『新百貨店落成式など』。さて、そこには何が写っているのでしょうか。メンバーの言葉を紹介します。
*本テキストはSIが毎月行うオンラインワークショップの記録です。
*メンバーは2022年度の公募で集いました。
*ウェブサイト『世田谷クロニクル1936-83』をご参照ください。
00:08
「店舗は環七沿いだろうか。道路のアスファルト舗装がきれい。横断歩道には縞模様がない」
「屋上に紅白幕をひと巡り。わかりやすいお祝いの仕方で目立ってよい」
「道路側のファサードのみ赤茶色の仕上げになっているが、ほかの面は白い。周りにまだ建物が建っていないけど、横側からの見え方は気にしていなかったのだろうか。それとも、すぐ両隣に建物が建つ予定だったのか」
00:55
「お葬式のときもそうだけど、いまでは花輪をほとんど見なくなった」
「花輪の送り主を全てカットに収めている。これ以降のシーンでも、会場の様子や来賓などを細かなコマ割りで押さえていて、『記録として残しておこう』という意図が感じられる」
「シャツがはだけている男性が映る。現在ではマナーとして上半身を露出させないきっちりとした着方の人が多い」
03:34
「ビルの屋上からの映像は、地上から見るのとはぜんぜん違う風景の切り取られ方をしていてハッとした。オフィスやお店が並ぶ繁華街だと思って見ていたら、建物の裏には家々が連なっていた」
17:27
「ダミ声がすごい! こんな声の出し方の人は今いないんじゃないかな」
「戦友会のシーン、なぜみんな民謡を歌っているのだろう。佐渡おけさ、よさこい、木曽節……地方出身者がお国自慢として歌ったのか。当時はレコードが売れて民謡が流行っていた時代だった」
「戦友会の場ではどんな話をするのだろう。普通の宴会と変わらない和やかな雰囲気だが、戦地ではかなり辛い経験もしたと思うがあまりそのような話題は出さないものなのか」
18:52
「『店を閉め 家族揃って 天下の剣』の言葉が謎だな、と思っていたら、これはムービータイトルを自作していたのか! このあとに映る、一碧湖での旅行シーンのタイトル[23:50]見てわかった」
「手作りのタイトル。字が綺麗。こういうカットはあとからインサートしているのだろうか。撮影だけでなく編集までするのは一般的だったのか」
30:25
「朝から酒盛り、幸せそう。気持ちのいい歌いっぷりは今ではパロディのようだ」
「どうしてここは長いシーンなのだろう。どこからか歌声が聴こえる」
「朝から半裸でお酒飲んで歌うのいいな」
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次回(2022年9月)は、No.69『新幹線試乗』をみんなで見ます。