憧れ
おれの憧れはとある女性ベーシストだ。
あの人みたいになりたいなと思う。
いつも憧れという言葉を使って思うのは、「その人になりたい訳じゃない」ということだ。
おれはあの人”みたい”になりたいだけであって、あの人になりたい訳じゃない。
エキゾの白いベースを持って、肩くらいの髪で、メガネチェーンを着けた女子になりたいということではないのだ。
おれはおれ自身の個性を持ったまま、あの人以上のベーシストになりたい。
赤いベースでボーイッシュでもいいじゃないか。
あの音が好きでも、プラス個性をつけたっていいじゃないか。
最初に目指すところがあの人なだけだ。
同じになってしまってはただのクローンである。