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江東区 常磐湯(リニューアル前の思い出)
森下駅や清澄白河駅から徒歩で行ける江東区の常磐湯。2023年に大リニューアルされたが、今回はリニューアル前の話。失われた文化として当時のことを記してしておきたい。(なお、今の時代のコンプラにそぐわないかもしれないが、時効と思ってご容赦いただきたい。)
宮造の立派な建物で、番頭が脱衣所を監視するタイプのthe伝統的な銭湯。天井がとても高い!味のある脱衣所で、瓶牛乳や缶ビールをよく飲んだものだ。
浴室はカランが沢山あるが、よそ者の私は迷わず下座へ。身体を念入りに清めたら、いざ湯船へ!
左から熱湯(42℃くらい)、激熱湯(44℃くらい)、激激熱湯(48℃越え?)と並ぶ。多くの一見さんは左の熱湯で満足され、常連たちは激熱湯へ。私を含めたごく数人だけが激激熱湯に挑んでいく。そこに至るまでも長い道のりがあり、身体を徐々に慣らし、激熱湯で熱くなってから激激熱湯に歯を食いしばりながら拝みながら入湯するのである。身体がビリビリと痺れる熱さであった。激激熱湯に入っていると、常連さんや、ヤカラさんたちからよく声をかけられてお褒めいただいたものだ。
熱った身体を水風呂で冷やしたいところだが、残念ながら水風呂がなかった。水のシャワーもない。ケロリン桶に水を溜め、5杯ほど頭からかぶる。そして外気浴の出番だ。男性浴室には日本庭園の池と鯉を眺めながら涼める外気浴場があったのだ!真冬や雪がチラつく日が特に最高で、真っ赤な身体からよく湯気が出たものだ。そしてそこには灰皿も設置されており、当時喫煙者だった私はそこで一服しながらアサヒビールを頂いたのだ!!
これを何度か繰り返すと、、、脳がとろけるようにととのったものである、、、。何にも考えられなくなり、ただただぼーっと鯉を眺めていた。
なお、番頭に聞いたところ、熱湯には温度計がなく、感覚で温度を測っていると。少しでもぬるい(熱くない)と常連たちから「風邪ひいちまう」とクレームが入る。さすが下街。
リニューアル前はサウナも水風呂もなかったが、その熱さに惹かれて何度も何度も通った。最高の日曜日を過ごす事ができた。休職中は毎日のように通ったおかげで、早期に回復する事ができた。
心から感謝している。ありがとう、常磐湯。