2回くらい死んだ
雪って美味しいのかなと期待して口を開けて降る雪を食べてみたら、全然美味しくなくて、それで全部思い出した。
母の日にお母さんにお財布を買った。数年前にもお財布を買っていて、お母さんはずっとそれを使ってくれていた。赤の生地にラメストーンが沢山着いていたけど、年季が入ってラメストーンは剥がれ落ちていた。替えなきゃな〜と言っていたので、またお財布をプレゼントしようと思って買いに行った。当時は落ち着いた色合いが好きで、深緑の素敵なお財布があって、プレゼントはこれにしようと決めた。お母さんは派手好きだったけど。
母の日にプレゼントをしたら、お母さんは全然喜んでくれなくて、返品して私のところにお金を戻してもらおうと提案された。お母さんと一緒に私がお財布を買ったデパートに行って、返品返金してもらった。大金はたいて買ったプレゼントの分のお金が帰ってきた。気を使って喜んでるフリをして全部ゲーセンで使った。すっからかんになって家に帰った。1人の部屋でちょっと泣いた。この日に1回死んだ。
もう1回死んだ日があって、それは高校2年生の時のバレンタイン。
当時の私はルッキズムに囚われすぎて、まともにご飯が食べれなくなった。所謂過食嘔吐だった。というか、これならいいやと思える低カロリーのものしか食べられなくて、あとは全部食べたあとに吐いていた。
バレンタインには友達とかクラスメイトが手作りお菓子をくれた。昼休みにわざわざ私の所へ渡しに来てくれた。全部美味しそうで、カロリーが高そうで、許せなかった。昼休み中に全部トイレに持ってって、トイレの個室で食べて、その後全部吐いた。水も飲まずに食べたから全然出てこなくて苦しくて、真っ黒の吐瀉物がおどろおどろしくて、手作りの優しさが重くて、それでも許せなくて、泣きながら吐いて、消えたくなりながら汚れた手を洗って授業に出た。この日にまた死んだ。
忘れられなくて、どうしようもなくて、お母さんが憎くて、自分も嫌いで、もういっその事破滅してしまいたいとか思いつつ、博愛主義で生きています。
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