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イーロン・マスクが日本を重視するのはツイッター黎明期から明らかだった、でもなぜ?

NHKが2022年11月23日、「イーロン・マスク氏 “ツイッターは日本中心” 米メディア」というニュースを報じていました。

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イーロン・マスクCEOが「日本の人口はアメリカのおよそ3分の1なのに、アメリカとだいたい同じ数のツイッターの利用者がいる」と述べたということです。
ドイツの調査会社が、ことし1月時点でまとめた各国のツイッターの利用者数は、アメリカが7690万人で首位、日本は5895万人で2位となっています。
マスク氏は「ツイッターはアメリカ中心に見えるかもしれないが、むしろ日本中心だ」と述べた上で、利用者の多さについて「理想的には、例外なくすべての国で目指すべきものだ」と指摘したと伝えられています。
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NHKが引用してきたデータはこちらで、3位のインドは2360万人で日本の半分以下となっていることからも、ツイッターもといマスク氏が日本に着目しているのは当然のように見えます。

このように、日本でツイッターが著しく使われている事象は2010年代前半からも見られており、そのことから拙著でも企業や自治体がSNSで発信する際にはツイッターを第一に推奨してきました。

日本でだけ普及している理由

それではなぜ、日本ではこれほど使われているのでしょうか。その答えは、日本特有の趣味活動やメディア接触が関連していると思われます。

テレビ等の連動が活発

ツイッター普及期より、日本のテレビ番組ではスポーツやバラエティ、音楽番組などでツイッターと連動した企画が見られ、リアルタイムで見ている人の感想などを紹介しながら、同時視聴を促したり共感を与える装置としてこのSNSが活用されてきました。海外でもこうした企画はありますが、日本の地上波のテレビ局は寡占状態(数局しか選択肢がない)ということで今でもコンスタントに10%前後の視聴率を記録することは普通であり、となると全国で1000万人以上がツイッターと連動した番組を見ているわけです。内容にもよりますが、日本のゴールデンタイム・プライムタイム(19時~22時、23時)には日々多くの日本の番組のハッシュタグが世界トレンドを席巻しているのはやはりテレビの同時拡散力が強いことを表しています。

推し活・ヲタ活の集合場所になっている

最近ではジャニーズやジブリなどのタレント・キャラクターがインターネット上でも活躍していますが、かつてはマスメディアのみでの露出に限定され、情報が限られていたため、ファン同士の交流の場としてSNSが選ばれたのは日本の大きな特色です。1人でいくつもの趣味を持っていると、人間関係や情報を整理するためにアカウントを複数持つことも当たり前になります。これに関するアンケート結果も出ています。

1人でいくつもアカウントを持つ人がそれなりに存在すれば、ソーシャルメディアの活用度は上がることから、他国に比べてよく使われる理由となるわけです。

企業・自治体アカウントの発信も旺盛

一方、SNSの利用者全員が投稿やツイートをしているわけではなく、それはむしろ少数派と言われています。つまり、ROM(Read Only Member)と言われる読むだけの人々が楽しめるだけのコンテンツの量・多彩さが不可欠です。その点、日本では多くの有名人をはじめ、企業・自治体が必ずと言っていいほどツイッターアカウントを取得して発信していることから、それぞれの趣味趣向に応じた情報をリアルタイムで取得できるメディアとして利用されています。

突如終焉する日も?

ツイッター社の2021年アニュアルレポートを見ると、国別売上高に言及があり、国内(アメリカ合衆国)では28億3576万ドルに達した中、日本は2番めで6億7502万ドル(全体の12%程度)と利用率などから比べると大きくありません。つまり、日本以外の国々での収益が悪化すればどれだけ日本で利用されていてもサービスが終了してしまう可能性はあるのではないでしょうか。冒頭ご紹介したマスク氏の発言を裏返せば、今後さらに力を入れる日本市場で良い結果を出せるかが、サービスを持続させるための判断材料になっているということも言えるでしょう。日本でもインターネット広告市場の伸びが以前より鈍化している中、メディア間の広告費の奪い合いに勝てる仕掛けを増やしているか、ユーザーたる消費者も注目していく必要があるかもしれません。

今回の考察は2020年にも拙著で行っておりますので、ご関心ある方はこちらもお読みください。

また、かく言う私もツイッターをやっておりますのでよろしければフォローなどよろしくお願いします。

お読み頂き、ありがとうございました。

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公務員のための新しい広報の教科書著者は元テレビ局員&地方公務員|西垣内渉
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