意外！カタールの経済成長率がヤバイ、その理由 ▶IMF発表最新GDPデータだと日本の●倍！ 新興国投資のヒント
国際通貨基金（IMF）のデータを基に、カタールと日本両国のGDP成長率の推移を2001年から2024年まで比較し、その差が生じた背景を分析します。さらに、2024年から2029年にかけてのGDP成長率見通しについても考察し、両国の経済の将来的な動向を展望します。
グラフはInstagramにて公開中です。インドネシア、アメリカ、ベトナム、UAEなども掲載しておりますのでぜひご確認ください。
2001年から2024年のGDP成長率の比較
日本(平均0.7%)
2001年から2004年にかけては、ITバブル崩壊の影響もあり、日本経済は深刻なデフレに陥りました。その後、政府の財政支出拡大や金融緩和政策によって徐々に回復に向かいましたが、リーマンショックによる世界的な金融危機の影響を受け、再び成長が鈍化しました。東日本大震災以降は、復興需要によって一時的に成長率が上昇しましたが、その後は人口減少や生産年齢人口の減少といった構造的な問題が顕在化し、潜在成長率の低下が懸念されています。
カタール(平均7.4%)
カタールは、豊富な天然ガス資源を背景に、2001年以降高い経済成長を遂げてきました。2008年のリーマンショック後も、天然ガス価格の高騰や大規模なインフラ投資によって、高い成長率を維持しました。そして2022年のFIFAワールドカップ開催に向けたスタジアム建設や交通インフラ整備など、大規模な投資が経済成長を牽引しました。
両国のGDP成長率の差が生じた理由
資源依存度: カタールは、天然ガスなどの資源に経済が大きく依存しているため、資源価格の変動に経済が左右されやすいという特徴があります。一方、日本は多様な産業構造を持ち、資源依存度は低いため、資源価格の変動の影響を受けにくいという特徴があります。
経済構造: カタールは、天然ガスの生産・輸出に特化した経済構造であり、国内産業の多様化が進んでいません。一方、日本は製造業やサービス業など、多様な産業がバランス良く発展しており、経済構造が複雑です。
人口動態: 日本は、少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少しているため、潜在成長率が低下する傾向にあります。一方、カタールは人口が増加しており、労働力も豊富であるため、潜在成長率が高い傾向にあります。
政府政策: カタール政府は、天然ガス収入を基に、大規模なインフラ投資や産業育成政策を推進してきました。一方、日本政府は、財政赤字の拡大やデフレ脱却といった課題を抱え、経済政策の自由度が限られています。
2024年から2029年のGDP成長率見通し
日本(0.7%)
2024年から2029年にかけて、日本経済は、人口減少や生産年齢人口の減少といった構造的な問題に加え、世界経済の減速やサプライチェーンの混乱といった外部環境の変化の影響を受けることが予想されます。ただし、デジタル化の進展やグリーン化への取り組みなど、新たな成長の芽も出てきています。
カタール(4.1%)
2024年から2029年にかけて、カタール経済は、天然ガス価格の変動や世界経済の動向に左右されつつも、2022年のFIFAワールドカップ開催によるインフラ整備の効果が持続し、引き続き高い成長率を維持すると予想されます。ただし、天然ガス以外の産業の育成や経済の多様化が課題として残されています。
まとめ
日本とカタールは、経済構造や成長ドライバーが大きく異なるため、GDP成長率にも大きな差が見られます。日本は、構造的な問題を抱え、潜在成長率が低下する傾向にある一方、カタールは、豊富な天然ガス資源を背景に、高い成長率を維持してきました。今後、両国は、それぞれの課題を克服し、持続可能な経済成長を実現するために、新たな政策を打ち出していくことが求められます。
カタール以外にもバングラデシュ編、インドネシア編、インド編などご紹介しています。今後のNISA等での投資先の参考にご参照ください。
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