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彼女と別れることにした。

彼女と出会ったのは2021年3月
きっかけは出会い系でもない普通のアプリから。
何回かDMでやりとりし
LINEの交換。
しかし相手は東京、私は関西に住んでいる。
会うのは難しいと思いながら
月に1度は会っていた。

彼女は娘が二人いるシングルマザー。
なのに時間を割いて私と会ってくれた。

一年ほど経過し、彼女側の娘さんが
イジメによる不登校となり
しばらく音信不通になった。

それからもお互い気持ちはあり
LINEのやりとりや年に数回会っていた。

東京に移住する理由も
近くに彼女がいるからと思ったのも
一つの理由であった。

彼女の家の近所から歩いて10分
くらいのところの
アパートを借りて近距離に
なったら空気感変わるかな?
とも感じた。

東京に来てから数回会った。
お互いの今後についても話し合った。

時が経つにつれてやはり環境の違いを
感じるようになってきた。

相手は娘が二人抱えながら
会社でバリバリ働くシングルマザー。
私は求職中ではあるが現在無職。

東京に居ても気軽に会えることなどなかった。
今更1世帯を養う余裕は私にはなく
関西に戻ろうと考えている私にとって
ひとつのケジメをつける事にした。
なので。。。

思い切って彼女と別れることにした。

「返したいものがあるから日曜日に少し会わない?」
と私から彼女にLINEした。
何か空気感で察知していたかもしれない。
「わかった。明日の10時によろしく」との返答。
共に待ち合わせして喫茶店に行った。
喫茶店で色々話をした。
相手は涙ぐみながら
「貴方の期待に応えて
あげられなかったのは本当に申し訳ない。」
そういう言葉を私に言ってくれた。

いろいろ昔の話をして笑いあった。
最後の帰り道
お互い自転車を押しながら語り合っていた。
別れ際に

お互いのLINEと連絡先を削除し合ってから
彼女が私にこう告げた。

「元気でね?」

「お願いだから帰る時にこちらを
振り向かないでね。」

「私は本当に貴方が
幸せになる事を祈っているから。」

そう言ってくれた。

そのまま振り返らずに自分の自宅に帰った。

喫茶店の中で渡されたものがある。
今まで私が彼女に渡していたものだった。

それは付き合っている時に渡していた
昔の私の写真。
退職前の会社のネームプレート。
それと
彼女自身が写真を撮ってコンビニで
プリントアウトした
私の写真だった。

この写真を見ると流石にキツかった。
一生懸命にコンビニまで行って
プリントアウトしてくれた。
その姿を思い出すと流石に涙が出てくる。

私は彼女の事が好きだった。
彼女も私の事が今でも好きだと
言ってくれた。

別れるのは悲しかったが
今後、私が一人で東京に
移住し続ける事の不安と
今後独りで生きていく可能性が高いため
私の財産である友人や息子達が
いる関西に戻る事にした。

今後も突っ張る事なくぼちぼちと
一歩づつ前を向いて歩こう。
一人乗りのボートで。
他の人とはスピードが遅いかも知れないが
それでも構わない。それが自分の人生だから。



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