コロナ禍での入院生活
大人になってから、病院に入院するのは2回目。
2012年、サイパン旅行中に倒れ、そのまま原因不明で2週間検査入院後、違う病院に転院した。
2020年、卵巣腫瘍の腫瘍部分摘出手術。「子宮付属器摘出術」というらしい。漢字にすると怖いな。
8年前は、毎日母親が飲み物や食べ物を差し入れとして持ってきてくれたり、洗濯物を持って帰ってくれたり、新しい前開きのパジャマを用意してくれたり、と甲斐甲斐しく世話をしてくれた。週末になると、父や叔母、当時医大生6年だった弟も顔を出し、この病院に採用されることが決まった、と、話をしてくれたことを覚えている。
とある看護師さんとドラクエ10の話題で盛り上がり、退院したら、フレになろう、と約束をした懐かしい思い出もある(当時はまだVer1だったか…)
他の病室にお見舞いにくる家族も多く、にぎやかな病棟だった。
2020年。新型コロナウイルスの影響により、全面的に面会禁止。
家族が病棟に入ることができるのは、入退院時、手術時、緊急時のみとなった。
荷物の受け渡しは、週に2回。時間帯も決まっており、受け渡しは各病棟の受付で行われるため、患者には会えないようになっている。
そのため、基本的には、「レンタルセット」を借りてほしい、との説明を受けた。
下着とマスクとゴミ箱以外の入院時に必要なものは、この「レンタルセット」で事足りる。日割り計算で、1日400円弱。おむつセットもあり、それは500円位だったか…。
どうせなら、下着も紙パンツにして、マスクもゴミ袋も、セット内にいれてしまえばいいのに。
私は「病院で借りるパジャマっていうか、甚平みたいなの、かわいくないもん」とか言って、自分のパジャマを持ち込んだが、術後はそんなおしゃれなものを着る気さえおきなかった。
手術当日、手術室へ自分の足で移動するが、その際にも、「マスクの着用」を求められた。手術台の上で、服を脱がされ、下着も脱がされ、メガネも取られたのち、最後にマスクを外された。
術後1日目、廊下を歩くときには、壁や手すりを必死になって持って、体を支え、一歩ずつゆっくり歩いた。部屋に戻ってから、手洗いと消毒をした。
術後3日目、売店へ行く元気が出たので、行ってみた。「マスクはお一人様1つでお願いします」という張り紙が、まだあった。
新型コロナウイルス以外の感染症も、入院患者からすると、おそろしい。
くしゃみ一つ、咳一つで、私のお腹はまた開いてしまうのではないか、という痛みに襲われる。
そのため、外部からの人を制限するのは仕方がないことだとは思うが。
お見舞いの家族や友人が来ないことは、とても寂しいことだと、感じている。
とかいう私のもとには、職権濫用して勝手に病棟まで入ってきた元従業員の弟が来てくれましたけど。