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なぜワンダーウーマンは歴史の割には人気がなかったのか
ワンダーウーマンはアメコミの中でも1940年代ぐらいから生まれている古株中の古株だ。ドラマ版や映画なんかのフランチャイズでもDCのバットマンやスーパーマンと並ぶビッグ3扱いされていた。
しかし、その知名度のわりにぶっちゃけ微妙な扱いだった。
それはなぜかというと・・・地球に落ち延びた宇宙人というスーパーマンや大富豪の御曹司というバットマンと比較するとアマゾン族の姫様というファンタジックなキャラはイマイチ読者からの感情移入をつかめにくかった。
ファンタジックな神話の世界の住人であったアマゾン族やギリシャ神話の神々をDCはイマイチ扱いきれていなかったのではないかとすら思う。
同じアメコミのライバルだったMARVELのソーが北欧神話の住人たちを異次元世界の住人(映画ではエイリアン)と設定したことで成功を収めたのをみると余計にそう思う。
さらにいうとアマゾン族自体が周辺の船舶を襲って船乗りに色仕掛けをしては子供をはらんだり、男子は即処刑だったりラディカルフェミニズムもいいところな連中だったのもあって何をやってもあまり感情移入がわいてこない。そんなかんじがしてたかもしれない。
DC世界では神様といえばニューゴッズのダークサイドやハイファーザーのほうが人気があり、どちらかといえばニューゴッズのほうがアマゾン族やギリシャ神話世界の神様より格上として設定されることのほうが多かった。これも原因の一つだろう。
そもそも神様ってなんなんだよってなる。アメコミの悪いところだが何でもいろんな文化のキャラを出した結果、整合が取れなくなることが多い。ワンダーウーマンはその犠牲者だろう。
ココだけの話、敵を真似しろとはいわないがワンダーウーマン含め古代ギリシャの神々は異次元世界の住人にするか、旧世界の住人、タイムトラベラーの類にすべきだったと思う。
あとさらにバットマンならジョーカー、スーパーマンならレックス・ルーサーのような人気のヴィランがうまれなかったのも原因の一つだろう。チーターをライバルとして設定することもあったが、正直イマイチ魅力に欠けていた・・・・。
またさらにいうと、バットマンなら「イヤーワン」「ロングハロウィーン」「キリングジョーク」とかスーパーマンなら「シークレットオリジン」「スーパーマンの死」「パブリック・エネミー」のような傑作エピソードに恵まれたかと言われるとこれまた微妙だ。
00年代後半~10年代前半はどちらかといえばグリーンランタンやフラッシュのほうが名作ストーリーにも恵まれていたと思う。
本編だけじゃなくて、クロスオーバー物のキングダムカムやダークナイトストライクスアゲインでは正直スーパーマンのカキタレというかなり微妙な位置にいた。
長々と書いたが・・・
ワンダーウーマンについては人気が出たのはごく最近で、しかも政治的な意味で無理矢理ドーピングしただけでしかない。
ということをここで書いておきたい。こんなことは言いたくないが、アメリカンコミックでは女性客というのは今まで全く開拓されてこなかった存在でしかなかった。
昔はロマンスコミックというラブコメを主体にしたジャンルがあったが、それも生き残ることはできなかった。
日本のように少女漫画というれっきとした文化が生き残ったわけではない。アメコミ関係者がポリコレポリコレうるさいのもアメリカにおいてはうなづける土壌があるのだ。だって女性向けのコンテンツが発展途上のまま60年が過ぎているからだ・・・。
そして、映画で入ったアメリカの観客はアメコミを読むようになるかと言われるとこれがまた微妙だ。DCは本当にワンダーウーマンを売り出したかったらそれこそアニメシリーズを作ったほうがいいだろう。それをベースにリブートなりなんなりしたほうがいい。
逆に言うと日本のほうが「セーラームーン」や「プリキュア」のような女性向けスーパーヒロイン物は多かったりする。バトル漫画じゃないがBLは多いし、実写化されるのも少女向けロマンスコミックのほうが多い。
もっというと日本にくる漫画好きは女性が多いが、そういったアメコミに救われなかった女性たちが日本漫画やアニメに救いを見出してるのはあるのだ。