「大怪獣のあとしまつ」に観る笑えないコメディの罪深さ
本年度屈指のダメ映画で有名な「大怪獣のあとしまつ」がアマゾンプライムで配信されていたのでみてみました。
いやあ~~~~ひっどい・・・。
こりゃあひどい。
こりゃ本年度ワーストですわ。
何がひどいってギャグがつまらないんです。
寒すぎる。
「どうですかね?」「どですかでん?」とか、なんだよそれ…っていう。
政治風刺をしたいんだろうが、そのネタも薄い。
さらによせばいいのにギャグはほとんどセリフですませる。
ここら辺は邦画の悪いところがさく裂していますねー。
映画は朗読会じゃないの!映像なの!映像で笑わせろよ!
政治をネタにするんだからさぞやブラックなのだろう、と思いきや無能な政治家が右往左往しながら「あれはどうなんすかね~w」とか言ってるだけだ。
これのどこがギャグだよ!え!?
政治ネタを扱うんだったらもっとえげつないことをネタにしないと、誰も笑ってくれないぞ。
あと、無駄にグロい。
これは笑えないよ。
怪獣の死骸に未知の感染症があるという設定がある、これは「原子怪獣現る」のころからやっているので、特に問題はないが…。
頭の悪い配信者が死体の封鎖されている現場にいって、その感染症にかかってしまうという場面がある。
すると、体中にキノコまみれになってけいれんを起こすというシーンがある。
男性器にぼかしがかかっているとかいうギャグが合間に挟まるけど、まあグロいのだ…。
そもそも、男性器にぼかしが入って笑いを取るって、90年代のバラエティ番組かよ!?
まあ、そんな感じで全体的に無産な感じが常に漂う、クソオブ映画、わかりやすくいえば時間の無駄になっている。
おそらく製作者的には「シン・ゴジラ」をバカにしたかったのかもしれないが、これが滑っている。
もしも、仮に、何か対抗意識があったんだろうなら…こんなんじゃ、おそらく庵野は嘲笑してるよ。
とはいえ、部分的には「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」すらも超えている場面が多くあった、
まず怪獣の模型がすごいリアルだ。
誰かと思えばあのミレニアムゴジラシリーズの若狭新一さんが手掛けているのだ。
さすが、若狭さん、かなり気合が入っている。
合成のCGや街の破壊された廃墟がうつるなど絶望的な風景描写も満載なのだ。
こういった要所要所はぶっちゃけ「シン・ウルトラマン」すらも越えていたと思うぞ…。
次にキャスティングであるが、なんと山田涼介と土屋太鳳を使っている。
シン・ウルトラマンにあった加齢臭が本作ではほぼない。
フレッシュだ。
これはなかなかナイスな布陣だったと思いますね。
しかし、これらの要所要所で光っているセンスがふざけた政治家パートで全部無駄になっているのだ。
はっきりいえば、本作は中途半端なのだ。
ギャグとしてはつまらないし、笑えないし、無駄にグロい。
真面目にやったらどこかチープな場面がうつって、笑われるということを危惧しているのだろう。
でも、それかっこ悪いんですよ、マジで。
仮に、もしも、まじめにしていれば…本作の評価は駄作から佳作に変化していたのではないだろうか。
コメディにしてもギャグは寒い・しょうもない・最'狂'絶叫計画のレスリーニールセンみたいなトリックスターがいないので退屈…ともうズタボロなのだから、もう真面目にするしかなかっただろう
かといって、シリアスパートが面白いかというと退屈なラブストーリーが展開して、ごちゃごちゃと無駄に多すぎる登場人物のいざこざをみさせられるのは苦痛極まりないだろう。
というか、本作はコメディにしたいのか、シリアスにしたいのかブレブレで、バランスが非常に悪いのだ。
そんなわけで、まあ本作は「駄作」と言って過言ではないだろう。
「あのな、ギャグは真面目にやらなあかんねんぞ!!!」
まあ、そんなわけで本作の点数は0点です。