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夏の連想ゲーム

今年も暑い。春先からそんな予感はしていたが、いつもより遅い梅雨が来る前から真夏日続出、しかも湿気が多いと来たら、もうどうにもならない。明け方に暑くて目が覚めたら、汗をかいていた事も何度かあり、尋常でない蒸し暑さに音を上げた母の提案で、今月中頃から冷房を付ける日も出た(早めに掃除・試運転しといて良かった…)。

そんな暑さの中、最近まで仕事が忙しく(今も暇ではないが少し楽になった)、なかなか落ち着いて本を読んだり、noteを更新する余裕と気力が出ず、気付けば6月も最終日に!
寝るまでの短い間なので、普段と趣向を変えて、最近心に残った事をテーマに関係なく繋げて書いてみようと思う。

ご近所のアパートでは、毎年燕が巣を作る。春先から子育てをし、しばらくすると子燕がアパートから飛ぶ姿を見かけるのが毎年の風景だ。そんな様子を見ると、近所の子が元気に遊んでるのを見たような気分になり、とても和む。
そういえば、燕といえば、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』を思い出す。細かい部分は失念したが、確かこんな話だったと思う。ある燕が、夏の間を過ごすために渡った地域で、王子の像の願いを叶えるため、像に埋め込まれた宝石をせっせと市民へ配る。それを終えた頃には冬になり、燕は寒さで死んでしまう。王子の像は、しかし願いが叶えられて幸せであった、と。
子供の頃、作者が誰であるかも知らずに読んだ時、健気な燕の死に悲しくなったが、同時に燕と王子の心に想いを寄せ、なぜか心が温まった。今は、作者であるオスカー・ワイルドと彼の生涯について知ってるけど、それでも好きな作品の一つである。
オスカー・ワイルドといえば、ジャン=ポール・ベルモンドが主演・製作を務めた『危険を買う男』(原題:L'alpagueur)の最後、ワイルドの言葉が引用されていた。"Aucun homme n'est assez riche pour racheter son propre passé." 「どんな金持ちでも過去は買えない」といった訳が付いていたが、その短い一文に込められたワイルドの観察力と表現力に圧倒され、さらにこの映画を締めくくる言葉として、これ以上相応しいものはない、と内心唸った。

そしてベルモンドといえば、「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選 GRAND FINALE」が少し前に始まった。特集上映はこれが最後との事でとても寂しいけど、今回も全作品見てベルモンドの魅力を堪能しよう!と思う。
今回は特に、これまで日本では扱いが小さかったという『おかしなおかしな大冒険』、『ライオンと呼ばれた男』、『レ・ミゼラブル』の3本の他、過去の傑作選で上映された『冬の猿』、『リオの男』、『カトマンズの男』、『大頭脳』、『恐怖に襲われた街』、『危険を買う男』も上映される(最後の2本は今回が日本最終上映!)。
ベルモンドはヌーヴェル・ヴァーグだけじゃない。コメディ、アクション、シリアスも自然にこなし、ファンを楽しませた彼の活躍ぶりを、この機会にお見逃しなく。

連想ゲームと言いつつ、ちょっとコマーシャルっぽくなってしまった。さて、皆さんは何を思い浮かべ、連想しますか?


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