新商品からコーヒーマシンの未来を考える

※ごめんなさいかなりオタク向けになるかもしれません。
※表示金額は非常にざっくり170円/1€で換算してます。
※非常に長く、独善的です。深夜テンションで文体がおかしいですが投稿します

最近コーヒーに関連する機器機械の進歩目覚ましく
驚きの連続でありながらも、エアロプレスのような一つの抽出方法として確立されるようなものすごいイノベーションが少なくなってきていることも事実だと思う。

WBCやWBrCさえ追っていれば、彼らが競技会で披露した理論が数年待てば市場に降りてくる。

そういった中では、その流れを組みながら大会には出ていない新しいものを出しているのは個人的にWeber Workshopsであると感じる。個人的にここの社長はもはや裏で業界を牛耳っているのではないかとすら思えてくるからすごい。

特に最近だと以下の商品はものすごくいい発想な気がしている。
抽出の新しいスタンダードにもなる可能性のある素晴らしい商品だと思う。


その中で業務用コーヒーマシンにおいて、
ついにLa Marzocco社とMahlkönig社が誰もが想像していただろう、業界のほぼ答えを出した。

それはセミオートマシンと呼ばれるジャンルでの、メーカーを超えた全自動化提案である。

Iotでマシンを繋げることで、理想とされるレシピに対してグラインダーが勝手にメッシュまで自動調整するというとんでもない機能である。

個人的にはこのシステムが使える使えないでセット採用されるマシンが変わるほどのものだと思われるため、おそらくはエスプレッソマシン側がこのシステムに反映させる権利などをグラインダー側に販売してグラインダーはそのシステムに乗じるというなんというかソフトウェア的な商売が増えていくのではないか?と考える。

他にもIoTシステムを活用したクラウドシステムの活用で、顧客側に利用料を請求するといったサブスクシステムも十分に狙えるだろう。

そうなると最終的には焙煎から抽出までクラウドで管理してデータをもとに焙煎・グラインダー・抽出までを一括で調整する機能やサービスができてもおかしくは決してないかと思われる。

焙煎機事情には疎い方だが、それでもIoTの流れは普通にあることを知っているので、あとは老舗がそれに対応するかどうかでトレンドは決まってくるだろう。
プロバットかローリングあたりがそれを採用して浸透していけば、マシン屋にとって一番必要なのが機械本体ではなく、システムとそれに対応していくための利権・版権になってくるんじゃないだろうか?

これは正直マニュアルの境地ともえいえる競技会とは真逆をいった提案であり
マシン業界はある意味でスペシャルティーコーヒー業界の競技的な指向性を放棄しているとも取れる。

ただ、マシンという人の補助をする機械メーカーが行き着く場所は、やはり人の代わりになることなのだと思う。よく議論されているAIのシンギュラリティーのように、コーヒーマシンも最終的に目指すところはバリスタと同じ目線で作動するところにあるのだろう。

上記のような流れが加速度的に発達してきているのを、今年になって特に強く感じる。
それは立て続けに2社(3社)、似たようなビジネスモデルでのマシンがラウンチされたからである。

彼らの狙いはla marzoccoやMahlkönigとは少し変わり、マシン屋としではなくシステム全体を提案しているところにある。
そして、どこかがこの仕組みで世界に広めることができれば、本当に狙っている顧客へのアプローチで第二のキューリグとなることを目標にしているように見えるのだ。

以下、その2社である

①nunc. 

ドイツの企業が立ち上げた新気鋭のメーカーで
エスプレッソマシン本体とグラインダーのセットで販売し
メーカーが提供するコーヒーをグラインダー側でデータを読み込ませて
レシピ反映をさせる。

見た目も非常にスタイリッシュでコンパクト

ここのマシンの説明会に偶然参加することができたが
要はコーヒーの知識をあまり持っていないがコーヒーにこだわりたい人
気軽に飲みたい人向けの商品ではある。

IoTでコーヒー豆の情報を読み取り、グラインダーとマシンは自動で調整される。
特にグラインダーの仕組みがよくできていて
豆がしっかり入っていても、ほぼシングルドーズになるようにできていて、
使用者はメーカーが販売するコーヒー豆を好きなように選びながら
コンタミを防ぐことができる仕様になっている。

ぶっちゃけ本格的にこだわりたい人には非常に中途半端なマシンだと思う。
ただヨーロッパのなんちゃってホームバリスタは星の数ほどおり
またオフィスなんかでなぜか全自動ではなくセミオートを置いているところもよくあるように見受けられるので、
このシステム提案は正直刺さると思う。

さらに言えば副次的なところな気はするが、湧き上がりが尋常じゃなく早い。
2分くらいでエスプレッソが出せるようになる。
これもホームバリスタから考えると大変ありがたい内容だろう。

またドイツの会社ということで環境保全やコーヒー豆のトレーサビリティーも徹底しており、豆の情報などはサイトで全て見れるようにする予定とのことだ。

このマシンの実売は2025年からで、想定される価格は大体50〜60万円ほど。
今はプレオーダー中だ。

②Meraki Esprsso Coffee Machine

中国(香港?)のテクニカル集団が開発した、スペックだけを見ると本当に夢のようなマシン。
こちらはnunc.と比べると業界のトレンドを全て吸収してシステム化しましたというイメージ。
こちらも全てが一体になっている仕様である。

ただよりバリスタが求める機能がついていて
ロータリーポンプ・自動計量機能・スチームの温度センサー
がついているというなんとも豪華な仕様。
これでいて販売総定額が約30万円を切るそうだ。

機能や内容だけを見ていれば間違いなくマーケットチェンジャーだ。
個人的にこのマシンは気にしていたが、80万くらい行くかと思っていたので
あまりの安さに驚いた。

逆に故障やトラブルが非常に心配になる値段だ。この心配を乗り越えた実績が上がった場合、家庭用のエスプレッソマシンは使い勝手とクオリティのバランスを考えればこれ一択になると思う。
全自動マシンの顧客すら取り込み可能の化け物マシンになるだろう。

こちらも自社が販売する予定のコーヒー豆のICチップを読み込ませるとレシピが出てきて、若干手動だが推奨される引き目に合わせて自動計量でグラインドされ、そして自動計量(実測)でエスプレッソが抽出される。

こちらはさらにお湯の温度やスチーム出力の強化などもカスタマイズができ、自由度が高いホームバリスタに受けそうな、今の流れを理解した上で開発された商品に見える。

こちらは現在(8/6時点)でキックスターで絶賛クラウドファンディング中。
本投稿をするきっかけになったが、早期割引で20万くらいで買える。すでに500台は注文があったみたいだ。
正式には11月くらいに製品が届く予定とのこと。一般的な販売は同じく2025年だろう。

③(番外編)LIGRE youn

オーストリアでデザイナーと一緒に開発されたエスプレッソメーカー。
去年から今年にかけてすでに販売が始まっている商品。

このマシンはシステムではないものの、マシンとグラインダーをセットで販売できるという点とデザインがかなりnunc.と似ていることから取り上げる。
nunc.やMerakiと比べると若干BtoBも狙える領域にあるマシンだ。
とはいえ想定されているのはホテルのラウンジなどでの利用であり
ガッツリカフェやレストランで提供できうる商品かといえば違う。

デザインもそうだがマシン自体がかなり薄くデザインされていて
ホテルの移動式の棚の中にも収納ができることを強みとして一時期謳っていた。

また、このマシンはすでに、個人的にはドイツ語圏で最も情報収集に適していると思う雑誌であるCrema Magazinで検証されている。

ドイツ語が読める人やドイツ語圏に住んでいる人はぜひ読んでみてほしい。
オタクな内容も多いが、普通にドイツ語圏内のカフェ事情に詳しくなれる。

https://www.instagram.com/cremamagazin/

全体的にみてみるとマシンとしては温度の安定性やスチームパワーなどもマシンの薄さに対してよくできていて、オート・マニュアルモードのようなものもあり程よく業務用と高級家庭用のマシンとして売れるマシンのように見える。

特にコーヒー側のボイラーだと書いてあったと思うがサーモブロックを採用しており、セミオートマシンとしては珍しい部品を採用している(温度の安定性は悪くなかったようだ)。

また、オプションであるグラインダーはコンパクトながら自動軽量機能が搭載されており、セットで仕様することに大きなメリットがあるように設計されている。

こちらは特にIoTなどはなかったはずだが同じようにコーヒー豆の販売も一緒に行なっているようだ。

今までにないデザインでの受けが良いのか、マーケティングがしっかりしているのか意外とドイツ国内でのSNSで見かけることがある。

こちらは現在販売がスタートしており金額は本体で約70万円。グラインダーがつくと90万円程度はするのでだいぶん高級な価格帯になる。

ターゲットはよりバリスタ思考の人たちになるだろう。何度も書くが業務用も普通に狙える。加えてインテリア要素としては他社とは一線を画す、家具としての魅力がある。

そして想像以上にドイツ圏では販売代理店が力を持っているところが多いように見受けられるため、もしかしたら注目度が非常に高いのかもしれない。

以上がざっくりとしたマシンの紹介になる。

③は除き、偶然にもこの2社が同じアプローチでの開発と発表になっている。

このような背景には以下の3つが存在しているのではと仮説を立てる。

・コロナ禍における「モノ売り」のリスクが発覚したのと同時にサブスクリプションビジネスのような「コト売り」が流行り、定期的な収益をもたらすビジネスモデルが理想的であること(これは僕も営業だった時に課題だった)

・人手不足が深刻化する飲食業界として、IoTが発達し、浸透してきていること

・スペシャルティーコーヒーが普及し、研究もどんどん加速してきている中で、一般家庭で消費されるコーヒーの質が上がりつつあるのではないかということ

コロナ禍でマシン業界は大きな壁にぶち当たる。
カフェを開く人がいなくなり、業務用マシンを買う人が一時期いなくなった。
世界的、業界的に見れば家飲みが増え、家庭用マシンは飛ぶように売れたので結局はそこまで打撃ではない。
ただそれでも十分に「マシンが売れない」という課題を持つのに十分である内容で、コーヒーマシンだけではなくほとんどの業界でモノが売れなくなった。
反対にサブスクリプションのサービスは、様々な配信サービスをはじめ飛ぶように収益を増やした。

サブスクリプションは驚異的なビジネスモデルだと思う。
プラットフォームやシステムさえ準備しておけば、利用するしないに関わらず定期的な収益が確約されているサービスだ。
別にコロナは関係ないような気がするが、どの業界もこのサブスクリプションサービスを意識した。もちろんコーヒー業界もそうだった。
今回のこの2社の販売はまさしくそういった定期的な収益を狙うためにエスプレッソマシンというハードを売ることを目的としているように見える。

次に技術の進歩。la MarzoccoとMahlkönigが提案したように、今では他社ですらバラバラの機能を連携させて一つのマシンとして連結させ、機能させることが可能になっている。
流石にスタートアップの会社でこれをするのが難しいのだろうから、全て自社製品で作り出し、IoTを活用してコーヒーを販売しようとしているわけだ。
そしてその技術はスタートアップでも十分に機能させることができるくらい安く一般化された証拠でもあると思う。

最後に、スペシャルティーコーヒーの発展によって、一般の人たちにも認知されるようになっていることが考えられると思っている。
今回の2社のようにある意味中途半端とも取れる高価格帯の家庭用マシンがラウンチされたことには、コーヒーにわざわざ時間をかけたくないが美味しいものを家で飲みたいという需要を満たすためのものであることは間違いない。

少し前まではこのニーズ自体がなかったか、試そうとしたが失敗した人たちがそれなりにいたのだと思う。

コーヒーはめんどくさい飲み物だ。紅茶のように良いものを使って温度さえ守っていればかなり美味しく飲めてしまうものとは違う。

あらゆる工程が邪魔をし、家でお店のようなクオリティを再現するのは非常に難しい。

しかもエスプレッソになると抽出だけでなく掃除や管理も非常に面倒臭い。どの調理器具よりも手間がかかるしコストもかかるのだ。

エスプレッソマシンが食洗機に入れられたら違ったのだろうが。

だから多くの人はネスレのコーヒーメーカーやキューリグのようなものを利用しているし、こだわる人はお店レベルの労力をかけるようになっていくのだ。

ちょっと考えて欲しい。たとえば別荘を持っているようなお金持ちの人が休みの日にゲストを呼んでゆっくりする時。
ビールやワインは比較的簡単にサーブができる。
適切な温度、適切なグラスさえ用意しておけば、一本数万円みたいなものでも注いでしまえば十分に楽しめるのだ。
でもラテをくれと言われてしまうと全く意味が変わってしまう。
まずマシンを立ち上げて湧き上がるのを待たないといけないし
そこから豆の状態に合わせてメッシュとレシピを調整し
きちんと冷えたミルクで適切にスチーミングをして
エスプレッソの量に合わせてバランスの取れている量を注がないといけない。
そこまでしてようやく高くとも一杯原価数千円の高級ラテをサーブできるようになる。
で、適切に洗浄していないと数ヶ月後に使おうとしたら詰まって壊れてるわけだ。

こんなクソみたいに面倒なものをわざわざ別荘に置くだろうか?
それならnuncのように一瞬で適切に、豆を選びながら気にせずに抽出して出す方が明らかにいい。
そして全自動マシンではないからおしゃれで体裁も取れるというわけだ。
みんな大好きラテアートだけは自動化できないので練習する必要があるがそれがよりカフェらしくてプロフェッショナル感が出るから演出にもいい。

僕はこういったニーズにまず当てているんだと思う。
ただこれだけだと正直全然売り先が少ないじゃないかと思う人がいてもおかしくはない。
ただ、僕はコーヒーに投資する人は増えていると感じている。

日本でもそうだが、コーヒーはもはや中途半端には販売できない飲み物になってしまった。
コモディティもスペシャルティーもどんどんレベルが上がって専門的になっていっている。
その流れで家で消費するコーヒーのレベルも自ずと上がる。
残念ながらレギュラーコーヒーとインスタントコーヒーには確固たる差があり
挽きたてのコーヒーとすでに挽いてあるコーヒーでは確固たる差がある。

最も手軽なお店であるコンビニコーヒーですら毎日挽きたてのコーヒーを飲めるのに、家でわざわざインスタントコーヒーを積極的に飲もうとするだろうか?
ネスレのコーヒーマシンでわざわざ高いインスタントカプセルを使って飲むだろうか?
もちろん、飲むだろうがそれは利便性からくるもので、その差はどうしても感じてしまうと思う。
もちろん嗜好品なのでインスタントの独特な味が好きな人もいる。ただそれは大多数の意見ではない。それならばコンビニが採用しているはずだからである。

さて、家庭で一番手軽で安いだろうインスタントを消費する層が仮にそうやってコーヒーに違和感を覚えているとする。
そうなると同様に上にいた層。たとえば粉を使ってブルーワーなどで抽出したりハンドドリップで飲んでいる層も同じように次のレベルに引き上げられていく。
そうやって平均的に飲んでいる人たちの味覚の価値観が変わっていくと、もちろんこだわる必要が出てくる。
自分はこのサイクルが今十分に起こってきていて、コーヒーに投資する人が増えていると思っていると考えているわけだ。

そして、今回のマシンは彼らの中にあった利便性というエスプレッソマシンの課題をクリアしているということができると思う。
もちろん値段の桁が違うという人もいるかもしれないが、今は推し活やネットガチャの課金など趣味にお金を投じる人は決して少なくないし
リモートワークなどで家での生活自体に注目が集まっている。
コーヒーという仕事でもプライベートでも飲用する飲み物において、投資を渋る環境とは若干言い難いとは思う。

そして、利便性と多様性において家庭用コーヒーマシン領域で非常に売れている商品がある。それはキューリグをはじめとするカプセルやカードリッジ系のマシンだ。

特にアメリカだとキューリグに関しては4世帯に一つはあるとされており
様々なコーヒーを飲めるだけでなく、お茶などのバラエティに富む飲みものを
汚れることなく手軽に飲めることが人気の理由だと考える。

これらには顧客にはメリットが多いものの、実は業者にとっては意外と参入障壁が高いことで知られている。

というのも自社のカプセルを販売しようとすると、一度に製造するロット数が非常に大きく、個店などのようなカフェでは手のつけようがないのだ。

これはスペシャルティーコーヒーの領域だけであろうが
加えて抽出方法が非常に簡素で限られており、彼らのブランディングに傷が入る可能性があるという理由もある。

なのでキューリグという巨大な市場に参入するためには、非常に大きな資本とブランドをある程度陳腐化させるリスクを取る必要があった。

要はキューリグに手を出すということは、ハイリスクハイリターンであると言える。

だが、もしもnunc.やMerakiのようなエスプレッソマシンのシステムが普及していったらどうだろうか?
今は両社とも自分たちの豆を販売する方針をとっているが、仮にロースターにこのプラットフォームを使用する権利を販売すれば、ロースターがこの市場に参入できるようになるかもしれない。
この仕組みであれば、キューリグのようにわざわざカプセルにする必要はなく、基本的にはデータかICチップを用意すればいいだけなので、参入障壁は非常に低いように見える。
さらに、世界中に販路を自動的に確保したことになる。
使用者は供給されるシステムの中で、ほとんど選択することを迫られるからだ。
そして、ロースターにとっては、ほとんどお店と同じような手法で抽出され、飲まれるようになるのに加えて、自社で理想のレシピを共有できるわけだから、ブランド価値を下げることもない。
こうやってロースターにシステムを販売するという側面から考えると、これらのマシンは非常によくできていると思えてくるのだ。

この2社は最終的にこういったロースターにシステムを販売するためのハードウェアのシェアを争おうとしているのではないか?と感じる。

同じ時期に一気にこういったセミオートマシンのモデルが発売されているということは、個人的には偶然ではないと思う。
そして、このシェアを獲得でき、ロースターがこのシステムの価値に気付いた時、次世代のビジネスモデルになるのではないか?と思う。
セミオート版のキューリグがどこになるか、それを世界的に争い始めているのだろうと思う。

おそらく日本はこの流れに取り残される。
そもそも家庭用エスプレッソマシンが全然売れない市場であることもそうだが、このビジネスモデルでリスクを取れる企業がいるのだろうか?

もしいて根強く販促ができうるなら、5〜10年後にかなり独占的なシェアが取れるようになっているんじゃないかなとは思う。
それはエンドユーザーではなく、ロースターというエンドユーザーよりも重要になりうる顧客たちのことを指す。

ただそれも、単純にマシンを売るのではなく、そういったシステムを販売するための基盤を整えいてるかどうかというところが肝だと思う。

今のコーヒーマシンの開発事情はサイクルが早くなり始めてきているような気がしていて、5年も経った後に彼らのようなコーヒーマシンはすでに時代遅れな可能性は十分あると思う。
ただ彼らが本当に売ろうとしているシステムについては、10年後でも生き残っているだろう。
この基盤を作った上で同様の提案をしてくる新しいメーカーの受け入れ体制が取れるかどうか。
こういう観点になるのではないだろうかと考える。

最後に、la marzoccoがもうそろそろ100周年を迎える。
いつもla marozoccoは10周年ごとに革新的なエスプレッソマシンモデルを提唱するのが通例だ。

前回発売されたKB90はその中でも非常に革新的なモデルで、今までのバリスタの味覚探究に基づいた開発モデルからオペレーションをいかに簡素化させ、クオリティを担保させるかというセミオートマシンとしては考えきれていなかった工程にあえてメスを入れた商品でもあったと思う。
そして、スペシャルティーコーヒーというよりも、コーヒー業界全体を見渡した上での提案になっていたと思う。

僕は、la marzoccoが次に提唱するのはマシンの機能ではなく
マシンに追随する情報やデータ、プラットフォームやシステムががっつり提唱されるのではないかなと思っている。
もしくは、2社のようにすべてを一体化させた巨大なエスプレッソカウンターシステムかもしれない。近年WallyやSwanなどをはじめとしてエスプレッソマシン以外の周辺機器に力を入れているのは、la marzoccoとしてエスプレッソやラテを提供する全てをシステムとして提案するためで、それらをIoTやプラットフォームで管理運営できる仕組みを構築するためかもしれない。

もしla marzoccoがそういった提案をするのであれば、コーヒーマシン業界はもはやモノの良し悪しで売るのではなく、いよいよ目に見えないコトがメインの販売になるのだろうと思う。






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