
デカボ商店街IN愛媛 スタッフ出店してきました! 2025.02.08
デカボ商店街とは
デカボという言葉自体は聞いたことがないと思いますが、※「デカボ」は、脱炭素という意味のDecarbonization(デカボナイゼーション)の略称です。
SDGs、エコ、3R、デカボ・・・他にも用語が沢山あって説明が出来なくなっていますが、愛媛県では「デカボ」の名のもとにエコな取り組みを広げようと試みています。
そのデカボの取り組みの2024年度の目玉(?)が、商店街の中に商店街をつくる「デカボ商店街」のようです。
2025年2月は毎週土曜日にフードストリートマルシェが開催されており、デカボ商店街は、フードストリートマルシェに乗っかる形での建付けになっています。
出店のきっかけ
そもそも、何故私が販売をしたかというと
デカボ商店街に愛媛県地球温暖化防止活動推進センターのブースがあり、「何か出店販売したいが、フードロスになる農産物を販売することができないか?」
といった相談を受けたのがきっかけです。
子ども食堂に提供する事がきっかけで、圃場で廃棄される農産物を収穫したり、配達したりを数年続けているので、面白い取り組みだと思いました。
※ちなみに販売ではなく、収穫イベント等は定期的に開催しています。
面白いと思った理由は
①未だ食べられるのに廃棄されている農産物を消費者に知ってもらうきっかけになるから
②いつもは農産物を子ども食堂に提供しているが、販売した利益を現金で子ども食堂に寄付することが出来るから
③本来は廃棄される農産物から農家の手取りになることを農家の方に知ってもらえるから
といった事が考えられると思ったからです。
あと、推進員(愛媛県地球温暖化防止活動推進員)の仲間と一緒にスタッフとして入れることも背中を押してくれました。

出店場所
とにかく出店場所が良すぎました。
県のイベントだったので、メイン的な扱いだったようです。
事前にチラシを見ていなかったので、イベント終了後に見てびっくりしました。

ステージから一番近いブースでは正品のみかんの詰め放題を100円で実施していて超目玉イベントでした。その隣でミカンジュースの蛇口飲み比べイベントブースがあり、その横が我々のブースでした。
他の出店者が羨ましがるような好条件で販売出来たのです。
規格外農産物、圃場廃棄農産物
規格外農産物はサイズの規格外(正品のサイズに収まらない大きすぎたり、小さすぎたり、形がいびつだったり)、着色不良(色が薄かったり斑だったり、濃すぎたり)といった農産物があげられます。
ただ、今回依頼を受けたのは、生産者が販売しない農産物ということだったので、規格外よりも下になる圃場廃棄農産物を集めてきました。
柑橘は果皮が焼けをおこしたり、萎れがあったりする販売価値が著しく少ない物、ブロッコリーやロマネスコは収穫が手間なため、本来圃場で放置されるサイズの物、かぶや大根は一部枯れがあったり、変色があるもの(低温障がいなど)、里芋は本来廃棄される親芋も一緒に持っていきました。(お付き合いのある生産者の里いもの親芋は孫芋などと変わらない食味で美味しいのですが、親芋は食べられないといった認識がある為、売れないそうです)

その他、雪がかかり、雪やけを起こしている巻いていない白菜などもいただきました。
生産者の方と、市内の有志の方と一緒に早朝から収穫して、一路松山へ向かいました(私の地域から松山は1時間程度かかります)
ブース内イベント
我々のブースは
①服のリユース交換会
②サトウキビの試食と黒糖の販売
③規格外農産物の販売
の3本立てです。
イベントブースは愛媛県地球温暖化防止活動推進センターブースですが、ブース運営は①服のリユース交換会主催の推進員の方がしてくれました。
こちらの規格外品販売、サトウキビ試食をメインにおいて、出来るだけ我々が活動しやすいようにブース内を提供してくれました。
※服のリユースをされる方もいらっしゃいました。
②のサトウキビ試食、黒糖販売は以前の記事で紹介した四国中央市ロハス企業組合のサトウキビをカットして生のサトウキビをかじってもらうといった試食体験です。
海外からの旅行者も興味津々で体験してもらえましたし、イベントゲストの石原良純さんにもスタッフが声をかけて試食をしてもらえましたのでアピールにもなったと思います。
サトウキビ試食の感想の補足ですが、サトウキビをカットする包丁と、まな板、試食を入れるお皿だけ準備していました。
我々スーパーで試食といえば、アルコール噴霧スプレー、マスク、帽子、手袋、ペーパータオルを準備して衛生的に試食を作成しますが、まるで近所の知人が作るように特に消毒もせずサトウキビをカットして、特に手を洗うでもなく試食を道行く人に手渡して食べてもらっています(私も同様に試食を提供しました)
個人的感想としては、昨今の消毒や手袋は“衛生的にやりすぎ”だと感じています。手渡ししながら食べてもらうのであれば、神経質になりすぎない提供方法がとても好感が持てましたし、衛生面のクレームは一切ありませんでした(気になる方は試食しないと思います)
規格外農産物販売の成果
規格外農産物(圃場廃棄)の販売の成果ですが、小売業での感覚があるので、プライシングも、展開陳列も、基本自分で行いました。
説明をしないと売れない物は対面で説明をしながら、説明が不要な物は言い方は悪いかもしれませんが、勝手に売れていきます。
危惧していた商品が小さいであったり、見た目が悪いなどというクレームは一切ありませんでした。
小さすぎるのでネーブルとは認識していなかったり、小さすぎるので大根と認識されていなかったりして、むしろ面白がってくれました。
インバウンド観光の方や、近くのデパートでのお買い物目的だったセレブの方(持ち物を見てセレブ感がある方)も多数立ち寄られました。そして何かしら購入されていました。
購入してもらうポイントは、対面での会話です。
サイズがバラバラだったので、最終的には詰め合わせたり、値引きしたりして、ほとんど売り切りました。
売上は約30000円、その内訳も生産者:私(事前購入分):子ども食堂寄付分 が1:1:1 程度と三方よしとなりました。
全額寄付することも出来ますが、本来捨てられる農作物が手取りになることを生産者にわかってほしい気持ちもあり、生産者にも還元しました。
反省点、課題
とても心地よい気持ちになったイベントでよかったと思いましたが、課題、反省点あげるならば
①チラシに規格外農産物販売と記載されているので、そもそも廃棄する農産物に限らない方が良かった(見た目がもう少しまともな物が集められた)
②収穫の手間は正品の収穫と同じだけかかるので(生産者の人件費見合い分)生産者自身としては廃棄農産物を収穫して出荷する事に抵抗を感じている(報酬が少ない)
③生産者としては正品が自分の実力を見てもらえる農産物なので、正品も出荷したい。そのうえで規格外品も一緒に販売したい。
上記の反省点は、イベント自体ではなく、収穫時点での反省点であり、そもそも生産者とイベント主催者側の意思疎通が困難であることを示しています。
そこを丁寧に繋いで、どちらも満足し、なおかつ消費者にも喜んでもらえるように設計していかなければならないですね・・ ではでは