誰でもない自分の為の遺書と遺影。
新作ZINE「遺書」が完成しました。
本格的に遺書や遺影に取り組もうと思ったのは、
認知状の祖父が二年前に亡くなった時だった。
昨今では子供の頃からテレビで見ていた著名人も立て続けに亡くなっている。
そして身近でも別れを感じる事が増えてきた。
二年前に盛岡で出逢った居酒屋のママとその居酒屋の常連さんで一緒にスナックへ飲んだ夜があった。
そして今年盛岡に訪れた際に、
ママの居酒屋へ飲みに行った。
「あの時一緒にスナックに行ったおじさんいたでしょ。あのおじさん今年癌で亡くなったのよ。」そうママから聞いた。
一緒に飲んだ時には癌が進行して手遅れの状態だったらしく、その日に一緒に飲んだのが最後だったとママは言う。
「でもきっと楽しかったと思うよ。」
友人からも「先はそんなに長くないかもしれない。」と告白をされたり、トー横で出逢った唯一話せた少女が自殺をしてしまったり。
不規則な生活を繰り返す自分もいつ死ぬかなんてわからない。遺影は自分の写真でもあるが、残された人の写真でもある。選択肢があるならば、遺族は綻んだ表情の写真を選ぶだろう。
しかし死に際に何を感じていたかは自分にしかわからない。だから定期的に自分の為の遺影と遺書を記録する事にした。
限りある命のはずなのに、どこか永遠だと錯覚する日常の中で、「自分にとって何が大切だったか、何を大切にしていくべきか。」を改めて感じる事が出来た気がしています。
このZINE「遺書」を通してすべての本音を曝け出せるかはわからない。しかしこの製作を通す事で吐き出せるものはあると思います。今回ZINEを製作してみて、写真の選考もとても悩んだ。選びきれない。
遺書もまだ書きたい事は沢山あったが、原稿用紙4枚でとどめた。定期的に製作していく中で、まとめていけたらと思う。
自分が一方的に大切に想っている人々へ。
自分を大切に想ってくれている人々へ。
僕を知らない人でも。
この遺書を読んでこんな想いを抱えていた、こんな写真家が存在していた。
そう感じてもらえたらそれも一つの成仏の形だと思います。
死に年齢は関係ない。別れは突然やってくる。
生きた証、その瞬間に残したい想いをただ記憶していく。
ZINE「遺書」
本文88ページ
遺書 原稿用紙 4枚
2000円(送料別)
曽我灯Official Storeから購入可能です。
興味ある方はご検討よろしくお願い致します。
さようなら。