非倫理的な行動
放縦(ほうじゅう、ほうしょう):何の規律もなく勝手にしたいことをすること。
非倫理的な行動:今日の記事では、自分や自社にとって都合の悪い情報の隠蔽や、情報の改竄のこと。ジョナサン・ハイトは、「正しくない(非倫理的)行動かも」という気づきを正当化する合理的判断は、後付けの理由(言い訳)にすぎない(笑)と言いました。
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女王陛下に従順な首相 kojuro は正直者。ポイ活は好きだが、汚職は大嫌い。
一方、悪徳商人のスクルージー、前科はないが、やり方が汚くて守銭奴、その上、名誉欲が強い。だから、誰からも尊敬されない。
ある日、スクルージーは首相 kojuro に近づくチャンスができました。そこで、彼は首相 kojuro に近づいて行き、耳元でささやきます。「困っている国に食料援助するお金を用意するので、オイラに勲章をくれるよう女王陛下に頼んでくれませんか」と(あれ、いつの間にかオイラになってる(笑))。
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道徳的対応には2つの選択肢があります。1つは功利主義。
功利主義では、「最大多数の最大幸福」を目指すのですから、道徳的計算では勲章をあげるべきとなります。もちろん、世間から反感を買うことは間違いのないところですがね。
一方、義務論の立場から言えば、自己の高潔さと国家運営における手続きの正当性を守るべきであり、スクルージ―に勲章を与えるべきではない、となります。それに、スクルージ―に与えられた時点で、それまで功績のある人に与えられていた勲章の価値はダダ下がり(笑)。
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おそらく、野党は多数の人が助かる手段を採用せずに、民主主義のルールに固執する kojuro 首相個人に対して不道徳だと非難するはず(笑)。
これが道徳的放縦(ほうじゅう)。首相は人助けより、道徳的な kojuro であることを優先させたけど、それって本当は不道徳じゃないの? この道徳的放縦のせいで、多くの子供たちの命が奪われるんだから、kojuro首相の責任は免れないってね(笑)。
でも、kojuro 首相は考えます。「自分がここで妥協することで、次にはどんな汚職が起こるだろう。最終的な結果だけが大事なら、清廉潔白な指導者であり続けることはできないのだろうか・・・・」。ちなみに、功利主義は結果を大事にするので帰結主義とも呼ばれます。
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先日、速報でこの記事を投稿しました。
この記事を書いた後に、朝日と毎日の記者のSNSが炎上したとのこと。言い分はこちら。
北海道新聞の女性記者逮捕に抗議。
「取材目的は公益性のある行為であり、侵入は正当な理由になる。それに、逮捕されたのは新人だし。逮捕による萎縮効果は凄まじく、報道の自由が脅かされる」。
「ルールを守らなかったことに対する一定の批判はあるが、逮捕はないだろ.う。おかしいと市民も声をあげるべき」。
「取材として立ち入ったのだから、犯意がないのは明白。夜回りもストーカー規制法違反だと言われかねないと心配」。
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「法は最小限の道徳」でしたね。
「取材は公益」「ルールを守らなかったことに対する一定の批判はある」「犯意がないことは明白」って、記者さん、あなた、明らかに違法ですから。
報道関係のみなさんには遵法精神ってものがないのでしょうか。それとも、自分たちは神とでも思っている? まあ、新人の頃から、先輩にそのように洗脳されるのでしょうから、経験を重ねるたびに「神に近づいている」と錯覚するのも致し方ないでしょうがね(笑)。
遵法精神がない人にとっては「最大多数の最大幸福」なんて、どうでもいいはず。だって、大事なのは「報道機関の最大幸福」だけなんですから(笑)。まさに、放縦。
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予定している「ローレンス・シルバーマン(6)」での結論の一部を先に公開しちゃいますね(笑)。
「自己利益」と「他者に及ぼす害」をドライに天秤にかけてしまう危うさ
エリノア・アミットとジョシュア・グリーンの「トロッコ問題」に関する研究から、被害を受ける人の状況を生々しく想像できる人の方が、人を傷つけないという道徳的な判断を行う傾向があることがわかりました。
はい、報道機関の人間には想像力が欠けている、とわかりました。
アダム・バースキーの研究は、非倫理的な行動を正当化する人ほど、非倫理的な行動を起こすことを示しています。さらに、自分が目標設定に関与していなければ、簡単に行動に移してしまい、自分が目標設定に関与していた場合には、一旦、周囲に流されて正当化したとしても、行動にまでは及びにくかったと。
つまり、上司の指示に従った新人さんには違法行為が簡単にできちゃうってことですね。
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非倫理的行動を抑えるためには、個人の道徳的判断だけでなく、企業が社会的責任を果たすために、社員教育やルールづくりなど、さまざまな努力を行わなければなりません。そして、この施策を効果的にするには、どのように環境が個人の倫理的判断や行動に影響を及ぼしているかを正しく把握することが重要となります。
バレンタインとベイトマンは、他の営業担当者が倫理に反する営業(顧客に贈り物をする)をすると思うほど、また、営業担当者間での競争が激しいほど、非倫理的行動をとろうとすることを報告しています。
また、アキノらの研究から、高いモラルアイデンティティをもっている人は、通常は嘘をつかないが、自己利益が顕在化する状況下では、モラルアイデンティティが弱まり、倫理的行動がとりづらくなったと。一方、モラルアイデンティティの低い人は、状況によらずウソをつくって。
「倫理的判断より、自己や会社の利益が大事」という組織風土がある限り、非倫理的行動を抑えることは難しいですよね。
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ちなみに、この女性で新人の記者さん、学部の建物だけでなく、病院内をうろついていたことに加え、ご丁寧に盗聴までしていたというのですから、恐れ入りました。実名報道しないのは、忖度ってやつなんでしょうかね、忖度。オイラも、生まれ変わったら報道機関に勤めて神になろうっと(笑)。