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白いカラス(最終回の2)  平和のアナロジー


いよいよ最終回と思ったのですが、長くなってしまったので、またまた分割の憂き目に(笑)。



論理的推論


アナロジー(類推):  未知の物事・深く知らない物事を既知の物事に当てはめて推論する思考方法。

そして、論理的推論には、アブダクション(仮説形成)、演繹、帰納の3種類があります。

ここに、「前提条件」と「結論」、そして「前提条件は結論を含意する」という「規則(ルール)」の3つの要素があるとしましょう。

アブダクション(仮説形成) とは、「結論」と「規則」から「前提条件が結論を説明できる」と推論すること。

例えば、咳と高熱がある(前提条件)患者を診た医者は、考えます。
どう考えるかというと、「咳と高熱=前提条件」から「肺炎=結論」を説明できるっていう規則(ルール)を頭に浮かべるんです。
つまり、「肺炎になると咳が出て、高熱が出る」ってことで、「肺炎=結論」に違いないと推論(診断)します。


演繹法帰納法については、これらの記事で解説しました。

https://note.com/gashin_syoutan/n/nc6ca0fec497a

https://note.com/gashin_syoutan/n/n47b4f6467a72


帰納法は個別の事実に共通点を見つけ、一般的な結論を引き出すのですが、例外があります。

清水師匠のおかげで、「白いカラス」というタイトル、オイラの帰納法による「早まった一般化」ということがバレてしまった(笑)。

「早まった一般化」の代表選手と言えば、北原みのりさん。
さすが作り話のプロ、いや失礼、小説家だけのことはありますね(笑)。

https://note.com/gashin_syoutan/n/n3a9b89df2017



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反証可能性


自分の頭で論理的・科学的に考えないと、フェイクニュースに騙されてしまいます。

「早まった一般化」の得意な左旋回系の方やマスコミの物言いには、常に反論を意識していないと、コロっと騙されてしまいますからね。

科学哲学者 カール・ポパーは、反証可能性が「科学」と「非科学」とを分類する基準になるって言いましたから。

https://note.com/gashin_syoutan/n/nc6ca0fec497a


特に、二分法の誤謬は要注意。

「憲法を改正して、戦争のできる国にしたいのですか?」
「憲法を改正すると、子供たちを戦場に送ることになる」

などなど。

極端な2つの選択肢を突きつけて、国民には限られた選択肢しかないと勘違いさせる恐怖に訴える論法は、一定のお作法を知らないと、反論できません

マスコミや左旋回系の人たちがよく使う滑り坂論法恐怖に訴える論法でしたね。

https://note.com/gashin_syoutan/n/n153637fac5c5


そもそも、「憲法を改正すると、子供たちを戦場に送ることになる」という主張に明確な証拠はありません。

これに対して、左旋回系の人はこう言って反論します。
「じゃ、子供たちを戦場に送らないっていう証拠を見せなさいよ」って。

https://note.com/gashin_syoutan/n/n9dedb27be99f

ところが、「悪魔の証明」において、証拠を提示すべきなのは、「子どもたちを戦場に送る」と主張している側なのです。

このルールを知らないと、反証もできず、常に相手の思うツボ(笑)。


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妄言と脅威


人は都合が悪くなるとウソをつきます。
これが常態化すると、互いが互いを信用できなくなってしまいます。

そんな社会を誰が望ましいと思うのでしょうか?

人権侵害に余念がなく、理由もなく外国人を拘束するような国、約束を守らない国を信用できると思いますか?

信用できない国を相手に、抑止力を持たない国外交話し合いで解決することができる、とは到底思えません。

https://note.com/gashin_syoutan/n/n6e4067b9c906


日本が不戦を望んでいたり、戦争を想定していなくても、日本が軍事力を放棄することで、かえって紛争を誘発してしまうことになるってことを、想像する事はそれほど難しいことではありません。

そして、隣国が憲法9条などお構いなしに攻めてきた時、「憲法9条を持つ日本は抵抗せずに、憲法9条を持たない外国=非同盟国のなすがままに」ということになります。

これが、「不戦の誓い」ってやつの正体です(笑)。

ウクライナ侵攻を目の当たりにしてもなお、「憲法9条があれば、他国の脅威など気にしなくていいんだ」という妄言(もうげん)信じられる人の存在こそが、日本にとって真の脅威となるんです(笑)。


    ◇      ◇      ◇        ◇

しっぺ返し戦略


制服を着た警察官の目の前で犯罪行為をすることは憚られるでしょうし、パトカーがいるのに信号無視をしないはずです。
理由は、制服には、その人が何をする人なのかを示す効果がある、つまり、服装が権威を示しているから。

制服を見ると安心感を感じてしまう反面、制服の効果に騙され、相手の本性が見えなくなることも。

この効果を利用した犯罪も少なくありません。
たとえば、無免許医師の診療。

地下鉄サリン事件以降、警備保障会社が繁盛しているのは、なぜでしょう?

それは、丸腰が安全を保証しないことを知っているから。
警備保障会社のステッカーが制服の代わりに抑止力となっているんです。


国際情勢だって、一寸先は闇なのですから、丸腰になったり、善意だけでは安全保障は担保できません。


ここで、ゲーム理論のご紹介。

「協調戦略をとるが、やられたら報復する、その代わり協調姿勢を見せてきたら協調する」というスタンスが「しっぺ返し戦略」。

もし日本が軍備を放棄して報復手段を失えば、一方的な協調戦略しか取れなくなってしまいます。

日本が丸腰になることで、中国が友好的になったり、対等な外交関係が成り立つようになると思う人は、ウクライナ侵攻を「自分ごと」に置き換えられない人。

紛争は、国の名誉とコミュニティ間・宗教間対立の問題であり、最終的には両国の内政問題でもあるのです。
多民族国家である中国は多くの内政問題を抱えています。

それもわからず、日本だけが憲法第九条を金科玉条として、「ありもしない紛争のために武装するのは馬鹿げている」と主張するだけでは、平和ボケと言われても仕方ありません。

米ソの冷戦構造の中で、米国がタジキスタンから日本にかけて構築してきた「力の首飾り」という突出した軍事的プレゼンスのおかげで、日本が軍事力にカネを注がなくてもよかったのです。

でも、今、状況は違ってきています。

在日米軍のしっぺ返しを恐れて、手出しができないということで、沖縄に色々な仕掛けをしてきた国があります。
結局、沖縄県知事選で親中派が勝利しましたね。


しっぺ返し戦略も知らず、「奴隷になっても、幸せだ」と自信を持って言える人はどのくらいいるものなのでしょうか?

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確率と意思決定 ーベイズ推定ー


ギャンブルでは、連続する確率ではなく、1回毎の確率を重視すべきとされ、過去の結果は未来に影響しないとされます。


では、ウクライナ侵攻というデータ 1個では少なすぎて、推計的推定では、何も語れないのでしょうか?

そこで、参考になるのがベイズ推定

ごくごくかいつまんで説明します。

何もデータがないうちは、紛争の起こる確率を「q=1/2」と推定できます。

ところが、ロシアによるウクライナ侵攻が起こったために、紛争確率の推定は「q=2/3」となります。

いいですか、1/2と2/3、どちらが大きいかは説明するまでもありませんね。

もし、中国による台湾侵攻が起これば、「qがその数であるもっともらしさ P(q)」はさらに変わります。

「そんな、いかがわしい話を誰が信じるか」って、反論する人もいるでしょうが、たくさんのデータを得られた時には、qの推定値は「真実の紛争確率」に近づくことが数学的に証明されているのです。

このベイズ推定いかがわしいどころか、スパムメールを自動的に削除する仕組みにも利用されているのですから。


to be continued

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