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白いカラス(7) ー天秤ばかりー
ニュートン物理学のように論理的でもないし、時代も変わっているのに、憲法9条を「平和憲法」とイコールに捉える人がいる不思議。
「泥棒お断り」の張り紙をしておけば、「鍵も警察も不要」という話にはならないですよね(笑)。
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重たいものは空を飛べないのか?
例)自動車のエンジンはガソリンを燃やした 「熱」 を全て(100%)ピストン運動に変換できず、一部は「熱」になって排出される=ロスが生じる。
このように、「一つの熱源から正の熱を受け取り、これを全て仕事に変える以外に、他に何の変化もおこさないようにする熱力学サイクルは存在しない」という熱力学第二法則を提唱した初代ケルヴィン男爵ウィリアム・トムソンは、空気より重たい人工物体が飛行することは不可能だと信じていました。
天文学者サイモン・ニューカムは、「現在までに知られている物質と物理学をどのように組み合わせても、人間が空中を長距離飛行するような機械を作ることは不可能である」と述べました。
でも、そのすぐ後なんです、ライト兄弟が飛行機で空を飛んだのは。おかげで、ニューカムは世間の笑い者に。
意見が違うと主張して反発するだけでは、人間は空を飛べるようにはならなかったはず。
「なぜ意見が異なる」か原因を考え、検証したからこそ、人間は空を飛べるようになったのです。
その際、重要になるのが、正確な情報 !!!!!!!!!!!!!!!
素人とプロの違いは、才能と情報量の違い。
有権者と政治家の違いは情報量だけ(笑)。
有権者は素人ですから能力があっても、情報量が少なければ、正しい判断ができないこともあるでしょう。
でも、対案を出せない・議論すらしないと主張する政治家・政党は「情報収集して考える」という行動をしていないってことですから議論の余地はありませんね(笑)。
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ソフトパワー
ジョセフ・ナイが提唱した「ソフトパワー」とは人を魅了する力による国家の目標達成という概念。
中国では我が国の尖閣諸島国有化をきっかけに反日デモが激化し、ホワイト国から普通の扱い(輸出管理の厳格化)にしただけで、韓国では反日不買運動で盛り上がりました。
かたや、デモも不買運動も起こさない冷静な日本国民。
大震災と巨大津波による二重の惨劇によって家族を失った悲しみにも耐え、生活必需品が届くのを待つ時も、略奪や暴動の素振りもみせない住民の冷静な姿。
2010年、大洪水に見舞われたパキスタンは米国その他の国々から支援を受けましたが、外国の個人寄付の集まりは鈍かった。
日本は世界に冠たる富裕国のひとつですが、米国一国だけで1週間も経たないうちに、2200万ドル(約18億円)を超える寄付が集まりました。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で「300年に1度の大震災による大混乱の中で、日本人は冷静さを保ち、膨大な救助・復旧活動をまとめ、そして広く世界の称賛を集めている」と書いています。
大きな悲劇に直面した時でも、冷静に秩序正しく反応した日本のソフトパワーこそが、他国からの共感と高評価をもたらしたのです。
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反知性主義(ポピュリズム)
日本人は野蛮で反知性な民族というよりソフトパワーを発揮できる民族であることがわかりました。
中国 密告奨励法 施行
香港の「政治犯」1000人に急増 大規模デモから3年
「南京虐殺30万人に根拠なし」を支持した教師が精神科の病院に強制的に送られる
中国、南太平洋要衝で滑走路調査 米豪と対抗姿勢にじむ
反知性主義や全体主義と呼ぶべき国は、日本ではありませんよね。
反知性主義はポピュリズムとも呼びます。
ポピュリズムは、大衆迎合、衆愚政治、扇動政治とも訳されます。
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Lady Justice
正義の女神は一方の手には剣、他方には天秤を持っています。これらは、司法、裁判の公正さの象徴。英語では 「Lady Justice」。
Justice の語源となったのが、ローマ神話の女神 ユースティティア。
彼女が手に持つ天秤は正邪を測る「正義」を、剣は「力」を表し、「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」を意味しています。
ソフトパワーを発揮できる冷静さを持つ日本人ですが、それと反知性を心の中の天秤にかけた時、反知性に軍配を上げてしまう自虐的な人にされてしまいました。
その結果、「剣なき秤は無力」がわからない国民、そして、中国より日本が扇動政治の国だと思うようになってしまったのです。
労働市場における非対称情報の役割に関する研究によると、労働者の能力について、教育がいかに重要な情報提供の役割を担っているのかが明らかになりました。
要するに、日本人は日教組教育、日本のクオリティ・ペーパーもどきの朝日新聞による世論誘導能力や、岩波書店のプロパガンダによって、物心がつく頃から洗脳され続けてきたってこと。
一昔前までは「右翼」「軍国主義者」のレッテルを貼られることを恐れ、「改憲」を口にすることも許されない空気がありました。
ムール・ガイさんの投稿。
https://note.com/n46_saka/n/n05959918339b
この記事に、オイラが仲良くしているえんちゃんがコメントしてました。
「平和は保障されるべきだ」という「当為・・・・べき」論をとるのがムール・ガイさん。
一方、「平和が保障されている」という「存在・・・・である」論の立場がえんちゃん。
前者の「・・・べき」論という価値評価・価値判断は、後者の「・・・である」という存在や事実にかかわる議論によって根拠づけられない、というのが法学的方法二元論。
簡単に言えば、
「日本は戦後、紛争に巻き込まれなかった」という歴史によって、「今後も憲法9条を保持すべきである」という帰結を導くことはできないということなのです。
Lady Justice と呼べるほど冷静で正義感に溢れ、かつ知的レベルの高いえんちゃんの思考の妨げとなっているのは、一体何なのでしょう?
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恐怖症
オイラは高所恐怖症(アクロフォビア)。
恐怖症とは非合理でナンセンスなものです。でも、本人にとっては大問題。
フォビア : 人間の持つ恐怖症。ギリシャ語の恐怖= ポボス(Phobos)に由来。
飛行機恐怖症:飛行機の搭乗に恐怖を感じること。高所恐怖症のオイラ、飛行機に乗っても窓側には座れませんが、飛行機恐怖症じゃない。
『アラクノフォビア』というスピルバーグの映画がありましたが、これはクモ恐怖症のこと。
死を異常に恐れるのがタナトフォビア。
新宿御苑の元職員が「外国人が怖い」という理由で、2500万円以上の入園券を無料配布していた。
外国人恐怖症(ゼノフォビア): 「見知らぬ人を恐れる」というギリシャ語源を持つ言葉。
人種や身体的な特徴ではなく、自分の属する社会に異質なものをもたらすことへの恐怖であり、人種差別とは異なります。
美人恐怖症(ヴィーナストラフォビア):美人の顔をまともに見ることができない、挙動不審な行動を取る、頭が真っ白になるといった症状がみられる。また、美人が周囲にいるだけで恐怖を感じ、呼吸が速くなったり、吐き気がする。
飛行機事故で死ぬ。
外国人が怖い。
美人が怖い。
でも、大部分の飛行機は落ちないし、大部分の外国人や美人は怖い存在ではありません。
すでに指摘したように、プロパガンダと教育によって、国民の多くは、国防に関する社会的選択を理性的かつ論理的に考えられない恐怖症にされてしまいました。
https://note.com/gashin_syoutan/n/n05429e449d38
喩えて申せば、「フスマを開けると、お化けが出るぞー」って脅され続けたおかげで、怖くてフスマを開けられない状態になってしまった。
これだもの、オイラ、勉強嫌いになるはずです。
教育恐怖症のせいでね(笑)。
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情報の非対象性と不確実性
経済のグローバル化や民主主義の危機などによる「リスク社会」です。
自然災害だけでなく、人々が物質的にも精神的にも大きな被害や損失をこうむる可能性が高まっており、ロシアによるウクライナ侵攻もその一つ。
ケネス・アローに始まる「情報の経済学」は、人々が入手する情報が不完全で、不確実であり、その分布が(非対称的に)偏在する傾向にあるとする経済学。
米国の中古車市場では、欠陥車をレモンと呼びます。
中古車市場では、情報の非対称性が存在します。
売り手は車の欠陥(酸っぱさ)を知っていますが、買い手は外見(色や香り)を知ることができても品質に関する情報を持たないということ。
買い手の無知につけ込んで、欠陥車ばかりが出回ってしまうと、最終的には市場そのものが崩壊してしまいます。
ほぼ100年前、J・M・ケインズとフランク・H・ナイトという2人の経済学者が計測し数量化することのできない「不確実性」があることを指摘。
サイコロの1の目が出る確率は6分の1といった通常の確率論とは異なり、「数値化や相互に比較できないことが多い」というのが、ケインズの「蓋然性」。
見たいものしか見ないというのはリスクです。
蓋然性の評価を怠り、不確実性に身を任せてしてしまうことはリスクでしかありません。
正しく行動するには、情報を入手するだけでは不充分であり、不確実性を可能な限り減らす=リスク管理=蓋然性の評価・検討が欠かせないのです。
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人の認知は主観的
論理的思考の1つである帰納法の弱点は、「存在しないものが見えてしまう」帰納法のワナ。
「信じたい」という気持ちが強ければ強いほど、ひらめきを真実だと信じてしまうのです。
本当は「自分のひらめきに惚れ込んでしまっている」だけなのにね(笑)。
ひらめきと真実の違いを知るには、確率論が鍵になります!!!
18世紀初頭、「なぜ人間は負けるかもしれないギャンブルをするのか」という疑問に対してダニエル・ベルヌーイが書いた論文が「リスクの測定に関する新しい理論」。
彼は、人間は不確実性のもとでは、確率的に計算した効用(満足度)を最大にしようと考えて行動することに気づきました。それが「期待効用理論」。
具体的に言うと、投資や賭けは、期待される満足度、期待効用によって行われるってこと。
平和のような抽象概念は定義が難しいのは言うまでもありませんが、「憲法 ⇛ 平和」というひらめきの因果関係が成り立つユートピアは日本ではないということは明らかです。
現実は白か黒かではなく、灰色の数値化できない確率(蓋然性)の世界です。
だから、中国が期待している満足度や期待効用を知り、蓋然性の高いリスクから優先順位をつけて対処しなければなりません。
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主観も集合すると客観に近づく
「可能性があること」と、「必ずする」ということは別ものであり、それを判断するのに重要なのは起こりやすさ=蓋然性の高さなのです。
統計的有意:偶然に起こる事象が確率的に 5%以下(試行20回で1回以下)であれば、「より真実らしい=かなりの蓋然性をもって偶然ではない」として、「統計学的に95%のレベルで有意だ」と言います。
例)
差を調べている項目が10個あるとします。
この10項目全てが「本当は差が出ないはず」にも関わらず、「5%に起こりえる偶然で差が出てしまう」確率は?
10回連続して20回に1回の偶然が起こらない確率は
(1ー0.05)の10乗 = 0.95^10 ≒ 0.6
つまり、 60% ですから、
10回中1回でも20回に1回の偶然が起こる確率は
残りの (100-60)=40% ということになります。
「『差がない』が真実である」10項目を調べた研究を10回繰り返せば、おおよそ4回は「差がある」という結論になりました。
つまり、主観も集合すると客観に近づくとみなすわけです。
現在のところ、あのアメリカを侵攻する国が出現する可能性は否定できないでしょうが、蓋然性はほぼゼロと考えるのが常識的。
一方、「主観も集合すると客観に近づく」からすれば、中国が力で現状変更する「可能性がある」どころではなく、「必ずする」蓋然性がきわめて高いとなるのです。
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緩急軽重
緩急軽重(かんきゅうけいちょう):緊急なのかそうでないのか、難しいのか易しいのか、重要なのかさほどでないのか。
要するに、天秤にかけるってこと。
トリアージ:戦時、災害発生時に、傷病の緊急度や重症度に応じて傷病者の治療優先順位を決めること。
限られた医療スタッフや医薬品で、可能な限り多くの傷病者の治療にあたらなければならないため。
チェリー・ピッキングな脳の人は、きっとこう言うでしょうね。
「人の命を天秤にかけるのなんて許せない」って。
https://note.com/gashin_syoutan/n/ndd22204bd7ab
でも、福島瑞穂さんの「だって死んだ人の人権なんて考えても仕方ない」はどのように理解したらいいのでしょう(笑)。
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難事件は悪法を作る
「難事件は悪法を作る」とは、「原則の適用が困難な例外事象に固執して、本来の主旨を歪める結果、原則全体をダメにしてしまう」ということを表すことわざ。
憲法9条の改正は、ムール・ガイさんが指摘するように、ずばり国防が目的です。それを、例外事象をことさらに取り上げて原則全体の瑕疵としまうと、ありとあらゆるルールや規範が成り立たなくなってしまいます。
リスクの高いものを無視した上で例外事象をことさら強調することは問いの立て方としては不適切なのです。
恐怖症は人々の選択を制限し、人々から選択の自由を奪ってしまいます。
https://note.com/gashin_syoutan/n/n153637fac5c5
えんちゃんほど知的レベルが高い人が恐怖症にされてしまう日本には、どんな未来が待ち受けているのでしょう?
天秤の原理を利用して重さを正しく量る(はかる)天秤ばかりではなく、重さを正しく量ろうとしない剣なき天秤 only(ばかり)= 無力にならないよう、今はただただ祈るばかりです。