my black universe
冬枯れた草を踏んで歩く どこかの
国境沿いのロードサイドみたいな
埋立地の果て とんびとカラスが
高い空で くるくる踊ってる
乾きかけた水たまりに 映る空が
青と黒の間で 光を返してる
凍りつくほどじゃないけど寒くて
震えてるくせに 僕のマフラーも
手袋さえいらないって強がってた
君のなめらかな肩がまぶしくて
思わず目をそらした空の向こうが
こんな場所に続いてたなんて
野焼きするタイヤの臭いに吐きそうで
黒焦げていく自分と世界に絶望しながら
それでもこのまま行くしかないんだと
必死で言い聞かせながら有刺鉄線を超えた
君はどこかへたどり着いたのか
僕はまだ 何にも見えないまま
吐き気がしそうなほど黒くて青い空の下
光はなくても 誰の目に映らなくても
泥にまみれながら 地面を這って進む
それでいつか 国境の南へ
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There are others here like me, others who remember Andy.
We're glad he's gone, but a little sad, too. Some birds are not meant to be caged, that's all. Their feathers are too bright, their songs too sweet and wild. So you let them go, or when you open the cage to feed them they somehow fly out past you. And the part of you that knows it was wrong to imprison them in the first place rejoices, but still, the place where you live is that much more drab and empty for their departure.
ここにはおれみたいにアンディのことを覚えてるやつらもいる。
やつが出て行ったのは喜ばしいことだが、少々寂しくもある。籠の中にいるべきじゃない鳥もいるという、それだけのことだ。その羽はあまりにまぶしく輝き、鳴き声は甘美で力強い。そういう鳥は逃がしてやるか、あるいは餌をやるために籠を開けた拍子に、どうやってだかするりと逃げだしてしまうものだ。そういうものを籠に閉じ込めておくのはよくないことだと分かっているから嬉しいと感じる一方、鳥がいなくなったことで、この世界が単調でつまらなくなったとも思う。
(映画『ショーシャンクの空に』、原作 Stephen King 'Rita Hayworth and Shawshank Redemption' より 拙訳)
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