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2023年12月に読んだ本

 こんにちは。

  年の瀬迫り我冷える冬。いかがお過ごしでしょうか。
 つい数日前までは汗ばむ陽気といっても過言じゃなかったにも関わらず、次の日にはダウンコートを着込まなきゃいけないようなほど気温変化が激しい12月を迎えておりますがざくろさんは(空)元気です。

 とうことで月末恒例、2023年12月の読書記録です。


1. 三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち

 地球上に無数に存在する石のうち、私たちが立っている大地や海の底、果ては地球の核に近いところまでを形作っているものに注目して、その成り立ちや組成、特徴といったものを解説した一冊。
 タイトル通り主役となる石はたった3種類なのですが、その3種類の石が占める割合というか、果たしている役割というか…その大きさに驚かされました。
 また、そもそもそれらの石はどうやって出来たのか?といったところから地球、というよりも宇宙(太陽系)の成り立ちにまで話のスケールが大きく広がっていくところに、地学の面白さを垣間見たように思えました。
 全体的に専門用語を最小限に抑えた平易な表現で書かれていたり、主題から少し離れるような内容については省略されていたりと、学術系の(一般向け)入門書にありがちな「とっつきづらさ」をほとんど感じない構成なのが良かったです。石・岩・地層に興味がある方だけでなく、宇宙や星に興味がある方にはおすすめできる本ではないかと思います。

2. 時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

 「時間」とは何かという命題に対して最新の物理学(主に量子力学や相対性理論)の知見から考察を加え、「時間」というものを再定義するといった内容の本でした。
 正直に言うと、読み始めてすぐに後悔しました。というのも私の頭の出来が良くないのもあってか、書いてある内容が難しすぎて頭に入ってこなかったから…です。
 これは決して、文章構成(校正)の問題だとか、そもそも一般向けの書籍じゃないとかそういったことではなく、「可能な限り簡単に、一般向けに分かりやすく説明しようとしてもらっているものの、それでも内容が難しいから」といった具合。私自身の物理学の知識が中学生レベル止まり、専門も文系科目のため理系知識に乏しいということもあってか、何となく内容を掴むので精一杯でした。ちょっと悔しい。
 しかし内容は物凄いの一言で…「時間は共通の尺度ではない」とか「時間は拡がりである」とか、自分が認知している「時間」の定義が根本から変わってしまうような衝撃を受けました。
 とにかく凄い本でした。一般向けでこの内容なので、学術論文とかになるとどんなレベルになることやら…。

3. 1日外出録ハンチョウ(17)

 前段からの圧倒的落差…。ですが「読んだ本」なので漫画はNGとは言ってない。のでご紹介。
 この巻で印象に残ったのは「背伸」と「連鎖」。
 「背伸」は「あったなぁこういうの」感が凄い。ブラックコーヒーを飲もうとする下りなんかまんまかつてのざくろさんで笑いそうになりました。両親でも親戚でも先生でもない、近すぎず遠すぎない大人の人って子どもからすると何であんなに魅力的に見えたんでしょうね。
 「連鎖」は自分にも覚えがあるので身につまされる内容でした。誰とも知らない他人から受けたモヤモヤを引きずってしまうこと、よくありますよね。ざくろさんは大体消化しきれずに寝るまで忘れないタイプなので…。
 しかし毎巻面白いからずるい。というかこのシリーズは「あるある」の解像度が変に高すぎる。

4. 協力と罰の生物学

 面従腹背は許されない。
 微生物から哺乳類まで、植物から動物まで、同種間・異種間に見られる様々な「協力」と、それに乗りながら一方的な利益だけを受けようとするものに与えられる「罰」のメカニズムについて解説した一冊。
 生物たちは生存戦略の一環として様々な「協力」体制とそれに反するものへの「罰」の仕組みを整えているわけですが、何となく人間社会の組織論にも通ずる内容だなと感じました。
 特に、「フリーライダー」の出現や「罰を与えることは快感」といったところはどんな組織に身を置いても存在しうる問題だろうなと…。私も大なり小なり「罰」を与える側だったり与えらえる側だったりするわけですが、本能的な快感に身を委ねすぎて「罰」を与えることが目的化しないよう理性をしっかりと働かせないといけないなと身が引き締まる思いでした。「罰」を与えられることに対して快感を覚えることは今のところ無いのでセーフ。
 そんなに長くない本ですが、内容は非常に充実している上に専門的過ぎ無い平易な文章で書かれているため満足感が非常に高かったです。

終わりに

 2023年は9月から習慣的に本を読むようになりまして、その中でも思ったこと・感じたことを残しておくべくnoteへの更新も始めました。
 紹介した本を「面白そう」と言ってくれた方、「これは面白かったね」と反応してくれた方など、少なからず反響があったことを嬉しく思いました。
 また、振り返ってみるとジャンルを絞らずに読んでいこうと思っていた割に、自然科学系の本に偏ってしまっていたような気がしないでもないです。というか文学系を全然読んでない…ので来年はその辺りのジャンルにも手を出せたらいいなと思ってます。

 おそらくこれが2023年最後の更新になるかと思います。
 読書記録から当noteを知ってくれた方、それ以前から知っていた方、どちらの方々にも大変お世話になりました。

 少し早いですが、皆さまが穏やかな年末を迎えられ、2024年が輝かしい1年になりますように。

 それではまた。

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