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書籍『障害児イクメンの家計簿』(仮題)第1章 動機 (1)ハンズアップにならないために

ロシアの文豪トルストイの名作「アンナ・カレーニナ」にこんな言葉が出てきます。

『幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。』 ートルストイ「アンナ・カレーニナ」

しかし、障害児家族には該当しないかもしれません。障害を持つ子どもがいる家庭には、典型的な不幸のパターンがあるからです。

◆不幸のパターン

1.障害児が産まれる
 ↓
2.母親が仕事を辞めて育児に専念する
 ↓
3.父親が女を作り家を出ていく
 ↓
4.離婚してシングルマザーになる
 ↓
5.就業が難しい
 ↓
6.貧困におちいる(><)。

このパターンのことを慶應義塾大学の中島隆信教授は、ご著書『新版 障害者の経済学』の中で「ハンズアップ」と呼んでいます。

厚生労働省の資料によると、ひとり親が母親と父親での就労率は、それぞれ約80%と約90%と大差がありません。
しかし、年間就労収入は、大きな開きがある。
母子世帯が約180万円であるのに対し、父子世帯は360万円と2倍の開きだ。

母子世帯は月額15万円で暮らしていかなければならない。そこで◯◯◯手当などの給付金を申請して、生活の足しにしているのが実態だ。

年金以外の社会保障給付金などを加えた年間収入は、母子世帯が約290万円と就労収入の180万円から110万円ほど増える。ちなみに父子世帯は約450万円である。

母子世帯の約290万円は、なんとか生活できるレベルの収入だと思われる。だが、ひとり親家族や障害児家族だってシアワセに暮らしたい。

ひとり親家庭の現状と支援施策の課題について - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000336oi-att/2r985200000338ck.pdf

◆幸せのパターン

「不幸のパターン」におちいらないためには、「障害児が産まれても、母親は仕事を辞めないこと」だ。言葉でいうのは簡単だが、母親が障害児を育てながら働くのは大変である。

「脳性麻痺を考えるシンポジウム」の講演によるとショッキングな事実が語られている。

・障害児を持つ母親のフルタイム勤務はわずか5%。健常児を持つ親の7分の1
・重度の障害を持つ子どもの母親にいたっては、フルタイム勤務がほぼゼロなのが実態であるという。
・「重い障害を持つ子どもが生まれたら、親が仕事を辞めるのは当たり前」という考えが根強い。ー「脳性麻痺を考えるシンポジウム」認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹

障害児の母の95%は安定した就労ができていない
https://dual.nikkei.com/article/096/37/

私は、「障害児家族でも、お金と時間持ちのシアワセな生活を送る」を旗印に試行錯誤してきた。
試行錯誤の過程で失敗もたくさんした。うつ病、ギックリ腰、夫婦の離婚危機、など。
これまで経験したことを障害児家族のみなさまにお伝えして、少しでも「不幸のパターン」から脱却する家族や未然に「不幸のパターン」を防ぐお役に立てれば、望外の悦びです。

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