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シャミナミ/ジェニーハイ

7回目のオンガクノイトマはジェニーハイの「シャミナミ」を取り上げます。この投稿をするに至った背景は下記の記事をご覧ください。

概要

ジェニーハイというバンドをご存知だろうか。元はBSスカパー!で放送されていた「BAZOOKA !!!」の知名度をあげる為に始動したプロジェクト。放送レギュラーメンバーであったDr.小籔千豊を筆頭に、お笑い芸人であり芸術家のBa.くっきー!(野生爆弾) やtricotで活動するVo.中嶋イッキュウ の 3人で結成された。
この3人で音楽番組や音楽フェスなどへの出演を目標に掲げて結成された後、彼らからのアプローチで川谷絵音がプロデューサー兼ギターに就任。
さらに、小籔が「俺の知り合いで一番えげつないキーボード」として推薦した新垣隆をキーボードとしてメンバーに迎えた。

色々と話題になったKey.新垣をこういった形で再び見ることになるとは思ってもいなかった。そして、J-Rockと言われるジャンルを知る音楽好きなら理解できるだろう、この癖が強いバンド。各々が自身の方向で才をもつ個性派バンドが登場したのだ。

デビュー曲がこちら。片目で異常に恋してる、ってタイトルから癖が強い。
そして、デビュー曲からジェニーハイ色がフルに出ている。この曲以降の楽曲を聴いていくと何となく分かってくるに違いない。

そもそも、作詞作曲をするGt.川谷は言わずと知れた多くのバンドを掛け持ちするミュージシャン。最近は礼賛というバンドでも活躍し、ソロプロジェクトでも活動中。そのなかでも作詞作曲を手掛けるバンドごとにそのバンドの特徴やカラーをしっかりと表現してくる。ゲスの極み乙女。やindigo la Endと比較するのが分かりやすいのだろうか。彼の才能は計り知れず、これからも様々な音楽を手掛けるであろう。

作品について

では、本題に入る。このシャミナミは2019年にリリースされた楽曲であり、デビューから3作品目にあたる。生徒が先生に恋をする曲、というだけあって歌詞全体を通して恋愛をテーマにした作品になっている。

この作品が収録されたアルバム『ジェニーハイストーリー』を引っ提げて出演した2019年11月のMステで披露された。シャミナミは本人らいわく、彼らの楽曲の中でも高難度曲であったようだ。

MVは学校をテーマにVo.中嶋が女子高校生、そのほかのメンバーは教師の配役となっている。このMVを見るだけで恋愛感情が生徒→教師から教師→生徒に変化する。この恋愛感情の矢印が変化し、女子高校生の感情が大きく変化する模様に注目したい映像作品だ。

そして、歌詞にも注目してもらいたい。ワタシはこの歌詞に非常にビビッとくるものを感じた。

マンション購入前の緊張感みたいな
って、知らないけど
でもそんな風なドキドキが
メガの単位で飛んでったんだ

この歌詞では、恋愛感情における緊張感を「マンション購入前の緊張感」に例える。例えながらも「って、知らないけど」とオチがついている。関西人がよく使う「知らんけど」語法と同じパターンである。

外見がシルエットしか見えない
平安時代の恋愛の方がいっそ私には合ってたのかもしれない
だって中身で勝負だから
ハートの分譲価格は億越えなのに
心が美人な私がモテない現代社会を嘆くこの歌

現代の恋愛は外見重視であることを皮肉っているようで、それと対比するように「平安時代の恋愛」というワードを用いている。音楽の歌詞でこんなワードを使うっていうところに一癖を感じる、けど非常に分かりやすい歌詞。
そして、「ハートの分譲価格は億越え」という序盤の歌詞で用いた「マンション購入前の緊張感」と同じ"不動産"にまつわるワードを使ってくることで伏線を回収。

ここで私の担任の先生に話をスイッチ

この一文で場面転換になり、目まぐるしく曲中で変化が起きる。
そこまでの流れをくるりと変える各パートのメロディの動き、そして転調が入る。この一曲全体を見ると音は不思議、だけどストーリー性はとても流れていくような形で違和感がない。

ぜひ、一度聴いてみてもらいたい。

このバンドは他のアーティストともコラボをして楽曲リリースをしている。
その中でもワタシの好みはこちら。不便な可愛げでは、アイナ・ジ・エンドとの共演となった。この作品の注目ポイントはMVである。

特徴的なアイナの歌声と絡み合うような中嶋イッキュウの歌声。この掛け合いをする形でお互いにオンナの可愛さについてダークめな部分を表す歌詞を歌い上げている。
また、ワタシとしては2人の衣装にもチェックしてもらいたい。シックな装いで重みのある色を基調とした衣装をまとう。この衣装が表現する可愛さとはなんだろうか。

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