
今さら知った最高映画「俺たちステップ・ブラザース」を紹介します。
「俺たちステップ・ブラザース」との出会いは、今年の1月に買ったこの本『いとしの〈ロッテン〉映画たち』でした。映画批評サイト「ロッテントマト」でイマイチ評価されてない、あるいは全く評価されてない残念な映画をプッシュしたい、そんな内容な訳です。何が気になるってこの表紙のテンション高そうな2人。一体どんな映画だよって思ったらこれがまさに「俺たちステップ・ブラザース」だったわけです。
留萌市の三省堂書店で最高の本売ってた。こんなん買うしかない。#ロッテン映画,#ひどすぎてイケてる映画たち pic.twitter.com/NhZ44NTXRW
— Takuya Ono (@garakuta) January 24, 2021
で、くだんの映画について紹介しているページから。
”とんでもなく才能ある俳優たちが、これという理由もなく、汗くさくて、騒々しい12歳のように振る舞うーーー弁護しにくい案件だ。”
だそうです。2008年の映画で、日本では未公開。そんな映画です。
【中盤くらいまでのストーリーが含まれています】
お話は、「40歳にもなって仕事もせずに親のスネをかじって子供のように生きているロクでもない息子同士が出会い、親同士の都合から一緒に住む羽目になったことで起きる騒動や友情、別れ、親子の絆などを描く」映画です!無理やりまとめると!
ロバートにはデール(ジョン・C・ライリー)、ナンシーにはブレナン(ウィル・フェレル)というダメ息子がいるのです。ロバートとナンシーは仕事の関係で付き合うことになり、ついには結婚してロバートの家で住むことになるのですね。ところが親元でいい歳してぬくぬくと働かずに生きて来たブレナンとデールは、ぬるま湯生活を壊されて超絶不機嫌。お互いが嫌いでたまらないのです。挙げ句の果てには”デールのドラムセットにブレナンが勝手に触った”という理由で大げんか。二人はこっぴどく怒られ、テレビを禁止されてしまうのでした。
ちなみに、右がブレナン、左がデール。にしてもマウンテンデューとかいちいちTシャツの柄がツボすぎます。「お前のことは嫌いだけどエロ本のセンスはいい」みたいにちょっとずつ歩み寄りが出て来た頃、ブレナンの弟、デレクがやってくるのです。自称「西海岸最大のヘリのリース会社の部長職」で、とっても羽振りが良い様子。
ほほう、年収6千万円と・・・。このいけ好かない弟、デールに「殴れるもんなら殴ってみろよ」と挑発、「キモサベ」とか言われて怒ったデールはついデレクを殴ってしまうのでした。共通の敵ができたブレナンとデール。いつの間にか仲良くなり、最後は
ブレナン「オナニーできる非エロ雑誌は?せーの、」
二人 「”グッド・ハウスキーピング”!」
ブレナン「女になって寝てみたい男は?せーの、」
二人 「ジョン・ステイモス!」
ブレナン「俺たち、親友?」
デール 「そうだ!!
ブレナン「ガレージで空手する?」
デール 「行こう!!」
というわけでガレージで空手。もうめっちゃ仲良し。挙げ句の果てに「ベッドのサイズが大体一緒なので、2段ベッドに改造して部屋を広くしよう」からの大惨事っていう。
あと、”オナニーできる非エロ雑誌”でおなじみの「グッド・ハウスキーピング」はこんな感じね。
劇中では”良妻賢母”と訳されてましたけど、日本の「婦人公論」みたいな感じなのかなあ。
この後、仲良くなりすぎて、2人で会社を起こそうとしたりするのですが、トラブル続きで父親のロバートはもううんざり。こうして4人の暮らしに亀裂が入っていくのです。詳しいストーリーはネタばれになるのでここでは話しませんけど、ブレナンもデールも、最後は仕事先を見つけてそれぞれ独り立ちを目指すことになります。
いやまってブレナン、あんたの口からそんなインテリジェントな言葉聞きたくないんですけど!
結局のところ、オススメする理由は
40歳のロクでもない、仕事してない親のすねかじりの息子同士が、本気でいがみ合い、本気で仲良くなり、本気ではしゃぐ、その姿が最高に微笑ましいとすら思う。
ブレナンとデールを演じたウィル・フェレルとジョン・C・ライリーがダメな大人の感じをこれでもかと演じているのだけど、あどけない(もしくは腹立たしい)少年のすっとぼけた顔をするのが最高に上手で、もうこれが映画の魅力の全てかもしれないな、と感じるわけ。
そして、自分たちが小中学校でアホな子だった頃の日々をふっと思い返したりして、やたらと切ない気持ちになるのです。あんな日々はもうないけど、彼らは今もこんな感じだ、と。いやこんな大人いたら本当に迷惑なんですけども。
くだんの本によれば、主演の二人と監督のアラン・マッケイは構想を練る際に自分たちの中学校時代の思い出をこれでもかと詰め込んだそうです。だからなんだか懐かしい感じがするんだな、これは。
そんなわけで、子どもの頃の自分がまだ胸の中にあるおっさん世代にはストライクに楽しめる映画なのではないでしょうか。全力でオススメしたいと思います!
ウィル・フェレルと言えば「俺たち〜」シリーズ
さて、ウィル・フェレルと言えば数々の「俺たち〇〇」シリーズで主演を務めるお馴染みの方。配給会社の「”俺たち”ってつけときゃ大体売れる」な采配からか、邦題が「俺たち〇〇」の映画はたくさんありますが、ウィル・フェレルが主演している「俺たち」は全部で9作品。ただし、今回共演したデール役、ジョン・C・ライリーとのコンビが楽しめるのは意外に少なく、この作品ともう一つ、「俺たちホームズ&ワトソン」だけです。
どんな事件もたちどころに解決するシャーロック・ホームズ役をウィル・フェレル、助手のワトソン博士をジョン・C・ライリーが演じています。ステップブラザーズの時ほどではないですが破天荒にはしゃぎまくる二人は健在。面白ければなんでもありな方には楽しめると思いますが、悪ふざけが過ぎたのか、本作品は2019年の最低映画賞ことラジー賞を受賞。「ロンドンを舞台にした最も低俗で最も下品な作品でさえ、『俺たちホームズ&ワトソン』が提示したシャーロック・ホームズとワトソンの冒険より酷いものは描けない」とお褒めの?言葉をいただいております!興味があればこちらも是非。
番組冒頭、遺体安置所の匂いにやられて早速吐きまくるホームズことウィル・フェレル。もう大好き。
というわけで、個人的に最高な映画「俺たちステップ・ブラザース-義兄弟-」の紹介でした。