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離職防止を成功させる鍵は、人材採用戦略にあり!

~経営理念で価値観を共有し、事業計画に基づいた人材育成を~

優秀な人材の確保と定着、その両輪で成長を加速させる


企業の成長を支えるのは、言うまでもなく「人材」です。
しかし、せっかく採用した人材が早期に離職してしまうケースは少なくありません。
厚生労働省の調査によると、2022年の新規学卒者の3年以内の離職率は32.5%にものぼります。
人材の流失は、企業にとって大きな損失です。
採用・教育にかかったコストが無駄になるだけでなく、組織全体のモチベーション低下や業務効率の悪化にもつながりかねません。
だからこそ、採用活動 と 離職防止 は、車の両輪のように一体的に捉え、戦略的に取り組む必要があります。

早期離職の本当の原因とは?


早期離職の原因は多岐にわたりますが、1つにまとめると「思っていたのと違った」です。そして、この入社前の期待と入社後の現実の相違を防ぐためにマネジメントすべきことは、大きく分けて以下の2つに集約できます。

  1. 価値観のミスマッチ: 企業と従業員の価値観が一致せず、違和感や不満を感じてしまう。

  2. スキルのミスマッチ: 従業員のスキルと仕事内容が合致せず、能力を発揮できない、あるいは成長を実感できない。

これらのミスマッチを防ぐためには、採用段階からこれらをわかりやすく発信しながら戦略的に対応する ことが重要です。

1. 価値観のミスマッチを防ぐ


求職者は、企業のウェブサイトや求人情報などを通して、その企業の雰囲気や文化、価値観を感じ取ろうとします。
しかし、表面的な情報だけでは、真の企業理念や社風を理解することは難しいでしょう。
そこで重要となるのが、経営理念の言語化 です。
経営理念とは、企業の目指す方向性や価値観を明確に示したものであり、ミッション・ビジョン・バリュー の3要素で構成されます。

  • ミッション: 商品やサービスを通じて社会に提供している本質的な価値

  • ビジョン: 企業が目指す未来像や創造したい理想の社会像

  • バリュー: 企業が大切にする価値観や行動指針

これらの要素を、経営者の価値観や仕事観を反映させながら具体的に言語化することで、求職者は企業の目指す方向性や社風を深く理解し、共感することができます。

例えば、

・「私たちは、革新的な技術で社会に貢献します」といった抽象的な表現ではなく、「お客様の生活を豊かにする、感動を生み出すサービスを提供することで、世界中の人々を笑顔にします」のように、具体的な行動や感情を交えて表現する。
・「チャレンジ精神を重視します」だけでなく、「失敗を恐れず、常に新しいことに挑戦する人を応援します。積極的にアイデアを出し、変化を楽しみながら成長できる環境を提供します」のように、行動指針や社風を具体的に示す。

このように、具体的で分かりやすい言葉でその会社の考え方や仕事の仕方を経営理念として言語化 することで、求職者との価値観のミスマッチを防ぎ、入社後の定着率向上に繋げることができます。

このとき重要なのは経営者の価値観で経営理念を設定するということです。どこかの本に書いてあったような美しい言葉である必要はありません。社長の人生を振り返り、心の底から「これを成し遂げたい!これは譲れない!」といった思いを言語化してください。そうすることで、社長のご機嫌と社員の行動が一致し、自然と理念が浸透していきます。さらに、バリューを行動指針として評価基準に盛り込むと一層、組織の方向性が整ってきます。

2. スキルのミスマッチを防ぐ


スキルのミスマッチを防ぐためには、事業計画人材育成 を連携させることが重要です。
まず、将来の事業計画 を明確化し、それに基づいて 必要となる人材像 を具体的に定義します。
その上で、採用活動 においては、求めるスキルや経験を持つ人材を的確に見極める必要があります。
さらに、入社後 は、従業員のスキルアップを支援するための 教育制度キャリアアッププラン を整備することが重要です。
例えば、

  • 3年後、5年後にどのような事業を展開し、どのような人材が必要になるのかを明確にする。

  • 各部署の役割や責任を明確化し、それぞれのポジションで求められるスキルや経験を具体的に定義する。

  • 定期的な研修や資格取得支援制度などを導入し、従業員のスキルアップを促進する。

  • キャリアパスを明確化し、従業員が自身の成長を実感できるようなキャリアアッププランを提供する。

このように、事業計画に基づいた人材育成を行うことで、従業員のモチベーションを高め、定着率向上に繋げることができます。

まとめ


離職防止は、採用段階から始まる長期的な取り組みです。
経営理念を明確化し、求職者との価値観のミスマッチを防ぐとともに、事業計画に基づいた人材育成を行うことで、従業員の定着率向上を目指しましょう。

さあ、今日から何かひとつ始めましょう!

  • まずは、自社の経営理念を見直し、ミッション・ビジョン・バリューを具体的に言語化してみましょう。

  • 次に、将来の事業計画を検討し、必要となる人材像を明確化しましょう。

  • そして、採用活動や人材育成の仕組みに、これらの要素を反映させていきましょう。

参考文献

  • 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」

  • リクルートワークス研究所「人材採用・育成に関する調査」

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