1 on 1 カードを使ってみた
9月に開催された技術書典7で見つけて購入した「会話の引き出しを増やす 1 on 1 カード」というものを、どう使うと面白いか考えて、実際にファシリテートしてみたので共有します。
カードを使った対話の利点
1 対 1で話す場では、その2人の関係性が強く影響しますが、カードを使うことでその関係性による影響を軽減させることができます。わかりやすく部下(話し手)と上司(聞く役)とに分けて説明しますと、部下と上司が直接向き合って、上司が部下に質問をすると、その質問には
1.質問の内容
2.質問に込められた上司の思っている意図
3.上司と部下の関係性による影響
が発生します。
さらに上司の質問の言い方(語気)、表情、そして部下の受け取り方の癖(つい悪いことのように受け取ってしまうなど…)など、いろいろなことが影響するので、「単なる質問」自体にはなりません。それが、カードだと言い方や上司との関係性を離れて、質問としてのみ受け取ることが可能です。質問カードを選ぶのも部下にすれば、意図も軽減します。
1 on 1 カード活用:カードナビゲート型
これを利用して、1 on 1カードの「キャリア」を考えていくためのカード(G-01 から G-11とH-01からH-08)を利用したワークをやってみました。
やり方は聞き役である上司は 1 on 1 カードのナビゲート役となり、カードの選択は部下が行うというやり方です。この 1 on 1 カードはテーマカードと呼ばれるカテゴリーに分かれていて、そのテーマに合わせてカードの質問が整理されています。そこでG-01からH-08を以下の画像のように分けて並べて、左から(G-01から)右側のレーンにいくほど、深掘りしたり、具体的になっていったりします。これがこの1 on 1カードの特徴であり、活用しやすいポイントです。
上司はナビゲート役となるので「今日はキャリアをテーマについて話そうか?」とやんわり始めて、左端の「将来のイメージ」のカードについてどちらかを開いてください。」と促します。
話し手は、G-01、G-02のいずれかのカードを選んで開き、そのカードの質問を自分で読み、自ら答えます。上司は、その回答が曖昧であったり、浅い感じのやりとりでしたら、「ちょっと私の理解が追いついていないので…」と先に言葉をかけてから、もう少し明確に話してもらうように聞いていきます。各分類、1枚しか開いてはいけない訳ではなくて、上司からも「もう少し同じ分類で引いてみますか?」など話し手の話した内容について違うカードで視点を増やすこともできます。もちろん話し手も「もっとこのあたりは考えたいので、もう1枚引きます」という感じで、自分で選択することができます。右の分類のカードを引いていき、話し手が納得するところまでいけば、もしくは曖昧さがなく、やる気も見えてきているようであれば、そこで終了です。
この時の上司のナビゲートのポイントは、話し手の回答の内容よりも、話し手の回答の時の様子、例えば、答えづらそうとか、質問が腑に落ちてないのではないか…などの状況、事象について目を向けて、「プロセス」の支援をする感じで行うと良いでしょう。回答の内容が「浅い」「深い」という状況にも「もっと深掘りしましょう」と価値観についてのカードを引いてもらっても良いでしょう。
少し長くなりましたので、次回はこのカードを使ってもうひとつ実施した、聞き役の質問力向上トレーニングについてはまたの機会に書きます。
※カードの画像については、カードの性質上、販売元である「全日本キャリア教育改善推進協会」に確認を得て掲載しました。
1 on 1 カードはこちらで購入できます。
https://booth.pm/ja/items/1573253
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