「時間を無駄にしていませんか?—『時間を食べつくすモンスター』の正体と倒し方」
日々の忙しさに追われていると、「やらなきゃいけないこと」ばかりに集中してしまい、ふと本当に大切なものを見失う瞬間がありますよね。佐藤舞さんの著書『時間を食べつくすモンスター』は、そんな日常に押し寄せる「時間モンスター」に立ち向かい、自分の時間をどう取り戻すかを教えてくれる一冊です。ご本人も「自己啓発を終わらせる」という裏テーマを掲げて執筆したというだけあって、気合の入った内容です。
「集中すべきだった」―時間を無駄にしないための反省
東京大学の松尾豊教授が、「早くやっておけば良かった、ではなく、もっと集中すべきだった」と言うんですが、これが本書の核心だと思います。
私たちは、限られた時間をどれだけ効率よく使うかにばかり目を向けがちですが、大事なのは“今この瞬間”にしっかり集中すること。日々の忙しさに飲み込まれ、気づけば後回しにしてしまうって後悔する…。そんなだれしも経験があるからこそ共感でき、この本が私に「何を本当に大切にすべきか」を再認識させてくれました。
人生の向き合い方と苦痛への処方箋(3つの原則)
まずはこの3つの現実を知ることから始めるべきです。
変えられないものと変えられるものを区別せよ
親鸞聖人が説いたように、私たちは変えられるものとそうでないものを見極める必要があります。コントロールできる部分に集中し、無駄に悩まないことが大切です。人生に対して主体的に参加せよ(遺伝50%、環境10%、意図的な行動40%)
遺伝や環境は限られた影響しかなく、意図的な行動が40%を占めます。人生は自分の行動次第で大きく変わる。自ら積極的に関与し、行動を起こすことの重要さを諦めてはいけません。人生には苦が必要である(努力のパラドクス)
努力をすれば必ずしも即座に報われるわけではありませんが、困難や苦労を避けずに取り組むことで、最終的にそれが自分の成長や成功につながることをもっとポジティブに捉えるべきです。
死・孤独・責任―直視できないものに向き合う勇気
フランソワ・ド・ラ・ロシュフコーの「死と太陽は直視できない」という言葉があります。本書では死を含む3つの理「①死、②孤独、③責任」が描かれています。これらは、どれも私たちが避けがちなテーマですが、向き合わない限り、人生の本当の意味には到達できません。だからこそ、「今」という時間を無駄にしてはいけないんだ、と強く感じました。
自分の人生の舵を取るために
バーナード・スーツが「ゲームとは自発的に越えようとする障壁への取り組みである」と残したように、私たちの人生は挑戦の連続です。本書を通して感じたのは、「有意義な時間の使い方とは、自分の人生の舵を自分で握ること」だということです。価値観に基づいた行動は、自己実現とは異なりますが、自分の本質に基づく行動が人生を動かす車輪となるのです。
モンスターを倒すための3つのステップ
本書では、時間を奪う“モンスター”に対抗するための実践的な3つのステップが紹介されています。
気づく(マインドフルネス):まず、時間の無駄遣いや不安に気づくことが重要。
受け入れる(アクセプタンス):その不安や感情を受け取め、冷静に受け入れること。
重要なことに取り組む(コミットメント):自分が本当に大事だと思うことに、意識的に時間を使う。
自分の時間を守るために
私自身、転職直後にパワハラ上司の下で働いた経験があります。その時、「社会的地位やお金よりも、時間こそが一番大切だ」という価値観に辿り着きました。この考え方は、カーネギーが説く「人を動かす唯一の方法は、自己重要感を満たすこと」や、アドラーの「すべての悩みは人間関係である」という教えともつながります。自己肯定感を満たすことが、結果的に時間の無駄を防ぎ、効率的な人生を送る鍵になるのです。
「弱い紐帯の強み」―新しい出会いと偶然を味方に
『時間を食べつくすモンスター』を読み進める中で改めて感じたのは、「弱い紐帯の強み(マーク・グラノヴェッダー)」という理論です。私たちは、人生において新しい出会いや機会に恵まれることで、運を引き寄せることができる。偶然の出会いが、私たちの人生における重要な転機となり得るのです。これこそが、時間の使い方をより豊かにするための大きな力だと感じました。
この考え方は、実は私が推進している「雇用クリーンプランナー」の活動にも深く関係しています。雇用クリーンプランナーが育んでいるネットワークや偶然の出会いは、その活動を支える大きな力です。エフェクチュエーションの理論を知り、偶然に起こるチャンスや出会いを最大限に活用して柔軟広げていくこと。noteの読者とのつながりもその一例です。新しいアイデアや視点を与えてくれる読者との交流が、雇用クリーンプランナーの活動を広げ、成長させてくれています。
雇用クリーンプランナーの役割―職場環境の時間を取り戻す
職場環境において、自己肯定感が満たされていない従業員は、やる気を失い、結果として時間を無駄にしてしまいます。しかし、自己肯定感が高い職場では、従業員は自発的に行動し、職場全体が活気に満ち、効率的に時間を使うようになります。ハラスメントの問題も、自己肯定感が高い環境では発生しにくく、健全な職場環境が形成されやすいのです。
「雇用クリーンプランナー」という資格は、こうした職場の健全な環境を作り、無駄な時間を減らすために存在します。自己理解を深め、他者との関係性を健全に保つことで、時間を無駄にするモンスターに打ち勝ち、自分自身の時間を取り戻せるような環境作りにつながります。さらに、その過程で出会う偶然のつながりや新しいチャンスをうまく活かし、雇用クリーンプランナーの活動は進化していくのです。
一人ひとりが自分の舵をしっかり握りながら、偶然性を味方にして新しいチャンスを活かし、より良い職場環境を実現する。それが、「雇用クリーンプランナー」の役割であり、私たちが目指す社会の姿です。
付録のワーク
実践するための付録になっています。よい本だからこそ、このワークを実践しないとこの本の価値は最大化できないと思い、私自身のワークを記載しました。
死、孤独、責任について考えてみるワーク
困難な体験を振り返るワーク
子供の頃を振り返るワーク
ワークから分析した自己の価値観
◾️大人になってから色々な体験を通して洗練された価値観
どんな出来事も面白がってみる。どうせ最後はうまくいく
・出来事:良いことも悪いことも、過ぎ去れば全て貴重な経験となる
・面白がる:人生の挑戦や出来事をエンタメとして捉える
・上手くいく:できること淡々とやって流れ(偶然)に身を任せる
◾️目的(価値観)
どんな出来事も楽しみながら乗り越え、最終的には物事がうまくいくことを信じ、充実した人生を送ること。
◾️目標(中間ゴール/価値観に沿った目標)
事業を通じて、ハラスメント問題を解決するための資格である「雇用クリーンプランナー」を普及させ、働きやすい職場環境を広めること。
◾️手段(到達するための経路/自分との約束する日)
やること:
SNSやnoteで積極的に情報発信を行い、ハラスメント対策や自己理解の重要性を広める。
自己の経験をもとに新しいチャレンジや出会いに対して前向きにアプローチし、偶然を味方にする。
やらないこと:
自分の価値観に反する、時間を無駄にする行動やプロジェクトに時間を割かない。
他人の評価や世間体にとらわれすぎないようにし、自分の進むべき道を見失わない。
これらで分析したことを、自己紹介記事にも反映していきたいと思います。
noteの面白さは新たに得た知見を既存の記事にアップデートし続けられる面白さにありますね!
ハラスメントゼロの社会へ!サポートは財団活動費として大切に活用させていただきます。