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衝撃の事実!ブレインストーミングからは最高の●●が生まれない

【超訳】創造的なアイデアを意図的に生み出す方法がTHINK BIGGER(大きく大胆な発想)である。アイデアは古い要素を新しい方法で組み合わせることでしかない。そして、正しいプロセスと孤独な作業が不可欠である。

THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法:コロンビア大学ビジネススクール特別講義
シーナ・アイエンガー
超訳まとめシート

ブレインストーミング(ブレスト)は本当にクリエイティブなのか?

ブレストとは何か、そのルールを改めて確認しておきたい。

  1. 量を求めよう

  2. ぶっとんだアイデアを歓迎しよう

  3. 判断は後回し

  4. 他人のアイデアに乗っかろう

  5. テーマに集中しよう

著者はブレストは創造的な発想を目的とする場合、ブレストの有用性を否定している。ブレストが得意とするのは「情報の洗い出しと共有」である。チーム全員の経験の総和をもとに、日常的な課題を効率よく解決する方法としては優れているが、参加者の知恵(=箱の中)に閉じられた思考に過ぎないため、最高のアイデアは生まれにくい。

実際、1987年に実施されたブレストの調査では興味深い結果が出ている。4人ずつのグループでブレストを行ってもらうが、1つのグループは通常のルール、もう1グループは一人ひとりが個別にブレストを行い4人でアイデアを持ち寄ってから実施した。結果、後者のグループは、生み出したアイデアの総数が圧倒的に多く、創造的なアイデアも2倍に上っているのだ。

全ての思考は記憶の行為。つまり、アイデアの質は脳内ピースで決まる

イノベーションの定義にも重なるが、創造的なアイデアは思考を構成する要素が新しいのではない。新しいのは、それらを組み合わせる方法ということだ。論理的な問題というのも、創造的な組み合わせを通して解決できる。アイデアの質は私たちが組み合わせるピースの質によって決まる。課題で行き詰まるのは、おそらくパースのピズルの質が足りないからだ。

さらにおもしろい実験結果も出ている。「最も新規性が高いもの」「最も新規性が低いもの」「中間」この中で一番評価が高いのはどれか?実は、結果が出ている。答えは「中間」だ。実験結果によると、アイデアに含まれる『原材料』の組み合わせにおいて、親近性(なじみ深さ)と新規性(目新しさ)のバランスがとれたアイデアは、より創造的に評価されるという。

多すぎる選択肢からはいいアイデアが生まれない

そしてあまりに有名なジャムを試食した顧客が実際に購入するかどうかを検証した実験。24種類のジャムと6種類のみのジャムを用意した場合、試食した割合は24種類が多いが、購入率で比較すると6種類のみが約7倍高くなる結果が出ている。選択肢は与えすぎることには弊害がある。選択肢の最適な数は、7個プラスマイナス2個。この数を超えると認知的負荷の状態に陥り、混乱してまずい選択をしてしまう、もしくは選択不能に陥ってしまう。

ここからは創造的なアイデアを生み出す6つの手順を紹介する

ステップ①解決すべき正しい課題を選ぶこと

創造的なアイデアは、創造的な問い(課題)から生まれる。「新規かつ有用なもの」というイノベーションの定義から考えると、誰も使いたがらないものはイノベーションではない。「課題」とは、「誰かが欲しがっているが、手に入らずに苦労しているもの」を指す。「全員が同じを課題を同じように理解している」と想定する方法が成功するのは、単純な課題に限る。こと複雑な課題に関しては、正しい課題を正しいレベルで特定しなければ混乱し、労力を無駄にし、不本意な結果に終わる。人は課題を定義するステップを怠り、解決策に飛びつくことが多いが大抵は失敗に終わる。一番大事なことは「意味があるほどには大きいが、解決できるほどに小さい課題」を特定することだ。

課題をHOWで言い換えてみる

課題の階層を上げ下げしてスイートスポットを探すことを省略し、思いつきの課題に飛びつくとあとあと厄介な問題になる。ゆえに、最初にじっくりと一人一人が階層分析を行い、全員が課題解決にやる気と興味と熱意を持ち続けられるスイートスポットを探すべきだ。

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階層UP:環境に害をなすあらゆるものを減らすには?
階層UP:あらゆる汚染を減らすには?
ドラフト課題:プラスチック汚染を減らすには?
階層DOWN:使い捨てレジ袋を減らすには?
階層DOWN:この地域の使い捨てレジ袋を減らすには?
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スイートスポットが見つかったら最後の確認をする。
次の2つの質問に答えられたら合格だ。
①自分はこの課題を実際に解決できるか?
②自分はこの課題を本気で解決したいのか?

ネットフリックスの創業者も「延滞料金」という小さな課題を解決して初めて「自宅での映画鑑賞をもって手軽に、もっと安くするには?」という、さらに大きな課題の解決に着手することができた。まずは小さな課題から始めるべきである。

ステップ②課題を分解すること自体が解決策のヒントをもたらす

課題を定義し、分解するプロセスそれ自体がアイデアの創出行為である。サブ課題を見れば、その人が課題を解決するカギだと信じている要素がわかる。課題の中にすでに存在する解決策が少しずつ見え始める。

ステップ③「あなた」「ターゲット」「第三者」の3つの視点で比較する

一番大切なのは、イノベーターである「あなた自身」の望みが満たされなければ解決策は実現しない。ビルゲイツが自分の望みを常に意識し、心の奥底の感情に忠実であり続けたように、自分の感情に忠実であることが絶対的に不可欠である。

ステップ④箱の中と外。「別領域」でうまくいった事例を探す

コツは領域内よりも領域外の事例を多く集めること。問題解決のカギを身近な視点にとらわれず好奇心ドリブンで広げることにとある。注意点としては、失敗から学んではいけない。過去に成功した事例を戦略的模倣すること成功した戦術という具体的なアウトプットを参考にすべきなのだ。

ステップ⑤「選択マップ」で戦術の組み合わせを何度も足す

THINK BIGGERではアイデアの数が減るにつれて質が高まることを提唱している。発想のもとになるのは、学習したことの蓄積だけでしかない。あとは戦略的な組み合わせ、ランダムな組み合わせることによって、創造的なアイデアを生み出すことができる。

ステップ⑥「第三の眼」本当に追求する価値があるのか?

人は判断に迷うと社会的な影響を受ける。発話して自分に語り聞かせることや、誰かが耳を傾けていることを知っているだけで、相手の目を通して情報を処理することができる

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