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「若手を育てる」のはなぜ難しいのか?不満はないが●●がある

【超訳】Z世代の特徴は、会社に不満はないが不安がある。成長を促す職場の鍵は、心理的安全性とキャリア安全性の両軸を満たす環境にある

なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか 古屋星斗
超訳まとめシート

「若手を育てる」のはなぜ難しいのか?

「若手」とは誰で、どんな価値観をもった存在かを、そもそも知らなかったということに気付かされた。「若手」を集合体として括るのではなく、「ひとりの個人」としていかに捉えることができるかが、育成の肝にあることは間違いない。

これからの成長する企業のヒントは、①働き方改革+②育て方改革の両軸にある。職場の働き方が変わることは、働く時間が制限され、効率と生産性を求められる、より厳しい競争社会に晒される時代の到来でもある。いまのZ世代こそ、悩んでいるのだ。

育成する側、指導を受ける側、価値観の違いはどこにあるのか。調査データから紐解かれた歩み寄るためのヒントを紹介していきたい。

他世代とZ世代の本質的な違い

調査の特徴的な傾向として「どちらともいえない」という中間回答が減少している。この状況は、二極化・多様化と読み取れる。つまり、Z世代を一括りにするのは適切ではない。全く違う志向を持ったものが同世代に「混在」
しているという実態だ。加えて、こういった志向の違いは、環境が変わったことによる行動・経験が変わったことに起因する。

30代・40代と比べて特徴的な価値観

・人から羨ましがられるか、行動する際、友人にどう思われるかが重要
・何か違うと感じたり、ハラスメントや不正があったら辞める・声を上げる
・辛くても成長したい
・何かを買うためにお金を稼ぎたい
・様々な自分を場面に応じて使い分けたい

30代・40代と共通な価値観

・誰かひとりが褒められるのは好きではない
・嫌な友人がいたらそっと距離を置く
・仕事には我慢が伴うものだ
・努力したものが報われる、能力のあるものが報われる
・二度とない今を大切にしたい

二極化・多様化がみられた価値観

・コミュニティの仕組みを変えるために行動を起こすかどうか
・他人が幸せか否かに関心があるかないか
・地元志向かどうか
・働きたい会社の規模など

会社に不満はないが不安がある

若手が変わった以上に職場が変わった背景がある。若者雇用促進法を皮切りに、働き方改革関連法(2019年)、パワハラ防止法(2020年)、改正育児介護休業法(2022年)など、労働時間の減少は逆に、自身のキャリアを安定させるための経験、知識、ネットワークなど、環境に後押しされる形で成長を求めている。その結果として、離職希望者が多いのは、職場にゆるさを感じない「きつい職場」にいる者と、職場にゆるさを感じる「ゆるい職場」にいる者である。育て方改革は、マネージャーの努力だけでは完了しない難しさがある

心理的安全性+キャリア安全性

キャリア安全性=①時間的視座+②市場視座+③比較視座
上記から構成させる。特筆すべきは、心理的安全性と正の相関はなく無相関である可能性が高い。若手の活躍には、心理的安全性とキャリア安全性の両方が必要である。心理的安全性が「ありのまま」であることを受容し、キャリア安全性が「なにものか」になることを促すファクターである。

Z世代定着のための対応仮説(ハイパフォーマー層)

・囲い込み施策は無意味。社外活動経験者の方が愛社精神を持ちやすい
・短距離走にする。過去の自分との比較も含めゴールテープを明確にする
・褒めるだけでなくフィードバックする
・本人の合理性を超えたジョブアサインする

Z世代定着のための対応仮説(中間層)

・「言い訳」の提供。行動のための言い訳を提供する。
・一緒に悩み、行動する
・伴走ではなく、ひと手間かける(1回30分より1日5分)

若手を育成できるマネージャー

①年齢層が低い
②若手とのコミュニケーション頻度が一定以上ある
③配属・異動の前後で、管理職が事前に希望を聞く、決定後に個別の場でコミュニケーションをする
④若手へのOff-JTなどの教育訓練機会が充実
⑤社員同士の職場を超えた制度がある企業(日常の越境感ある組織)
⑥自らも職場の外の越境経験をしている
⑦若手に対する「呼び方」は無関係
⑧入社したてん若手にも多くの社会的経験を求め、期待をしている
⑨フィードバック形式よりも、指導内容の明確性や内容の充実に注力

ハイパーメンバーシップ型組織

「優秀な若手を辞めさせない」と「人材力向上」の両立の提言が、辞めてもその会社に参画できる、育てたことがムダにならない組織である。

書籍より抜粋

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