![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159863136/rectangle_large_type_2_2edbc23349882ab5bc28dea1a5f87fa6.jpg?width=1200)
一冊の本#00 あくまでも趣味本
これまでの人生の中で
数え切れないほどの書籍に出逢い
先人の知識と経験そして
何よりも普遍的な価値観に触れられた。
そのきっかけはある友人との出会いだった。
大学に入学した私はとにかく浮かれていた。
第一志望の大学だったことや
初めての一人暮らしに
夢と希望で満ち溢れていた。
大学ではプロゼミと言って
選択した語学によって少人数のクラスが
編成されていた。
そのゼミ仲間の一人と下宿が近く
同じ地域の出身だということで
ある日初めて彼の部屋に呼ばれた。
部屋に入って驚いた。
私のこれまでの人生の中で
見たことのない書籍が溢れていたからだ。
私は高校三年間で図書館に行ったのは僅か。
しかも借りた本は数冊程度。
実家にも書籍と言われるような類の物はなく
もっぱら参考書ぐらいしか読んだことがない。
君はどんな本が好き?
お気に入りの作家は?
適当な答えしか返せなかった。
大学に行くということはこういうことだと
誰も教えてくれなかった。
とにかく恥を忍んで
どこに行ってどんな本を買えばいいか
彼から聞いた。
そして百万遍にある古本屋に向かった。
その時に買った本が
宮本輝さんの「青が散る」(1982年) だった。
今でもその表紙が鮮明に記憶されている。
それから小説からコラムまで
貪るように読み漁り
とにかく何も入っていない自分の頭に
詰め込めるだけ詰め込んでみた。
その経験がなかったら
マスコミを就職先で選ぶなんて
考えもしなかっただろう。
それから少しずつだが
自分の好きな書籍のカテゴリというものを
見つけ出せるようになってきた。
多くの本は捨ててしまったが
残った大切なビジュアル中心の宝物を
みなさんにご披露しようと思い立った。
あくまでも趣味本です。
ご笑納ください。