私というアウシュビッツ【この靄を抜けて】小説
私の脳は飛蚊症に侵されていていつか気が狂う日が来るのではないか。
子供の頃からそんな恐怖心に見舞われる事があった。
時間にも場所にも構わず、私の頭にはめちゃくちゃにアイデアがさく裂して、爆発が起きていた。
ピアノのレッスン中でも、朝礼中でも、家でトイレにいるときでも、お風呂にはいっている時は、その脳内と格闘し、永遠と一人で脳内の誰かと議論を戦わせていた。
いつだっている場所、やっている事は、片目でこなしているような感覚で、半分以上の神経は沸き起こる議論と本気で戦ってい