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【作詞だけのようなもの】花火

打ち上げ花火も同じだねと
キミは寂しげに笑いかけ
僕はといえば上の空で
大事な想いさえ見過ごした

何が欲しかったの
どうしてあげればよかったの
もう答えは分からない

無常に始まる夏祭りと
賑わう人々の中
ほら最後の夏が打ちあがる

真っ赤な花火に叫ぶキミ
真っすぐな横顔が眩しくて
スキは喧騒にかき消され
どうしたって届きはしないのさ

泥にまみれたビルの上
熱帯びたパイプを振りかざす
白い海とスイカ割り
僕だけには青く見えていた

真っ赤な花火と叫ぶ僕
憧れた横顔はもういない
喧騒にただひとり飲み込まれ
届かない思いだけ捨てていく

ピューマの女王が荒野をかける
捨てられたアンドロイドと
腹をすかせた猿

その喉元へ牙をたてる
何も変わらない
夢を狼狽うた
愛をかた

真っ赤な火花と稲光
相容れない世界の真ん中で
油絵みたいにゆがむ顔
無邪気な子供が蹴とばした

真っ黒な煙と赤い街
太陽が東に沈んでく
聖なる丘の女王が
僕らの最後を見下ろした

物悲しい花火と涙した


元々なんとなく頭の中で作曲することはあっても実際に作るほどの気力が毎回湧かず没ネタとして放っておくことが多かった。
どうせオクラになるならじゃあ作詞だけやってあとはお好きにどうぞすればいいんじゃねえのということで、企画に参加。

テーマは正直自分でもわからない。
書いているうちに物語が勝手に進んで当初の予定から別の世界を作り出してしまったというところ。

強いて言うなら「無情」と、言うところか。
絶対なんてものはどこにもない。
それは希望でもあるし、絶望でもある。

企画概要はこちらから


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Ganmo
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