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フランス映画「静かなふたり」と猫とこれから

うちには猫が2匹いて、お姉さんが11歳、弟が推定4歳。姉弟のように言っていますが、別々に保護されてうちに来た子達です。

最近観た、フランスの女性の映画監督エリーズ・ジラールの2017年の作品「静かなふたり」は「沈黙」がテーマの一つです。

老齢の男性と若い大人の女性は、共に同じ時間を過ごしながらも、静かな時間を共有することに心地よさを感じます。静かな時間というのは「沈黙」、すなわち「会話しない」ということですが、もちろん二人は必要なことも、不必要と思われるようなことも話します。ただ、「お互いに話さなくてもいい時間」を同じ空間で共有して、それが心地いいというわけです。

さて、猫は心地よければ喉をゴロゴロ鳴らしたり、気に入らない人にはシャーッといったり、ご飯が欲しいと泣いたり、呼べば気分次第で返事をしたりと、当たり前ですが話はしません。それでもうちの二匹は、ちょうどいい距離を取って、お互いにリスペクトして、いい時間を過ごしているようです。

人が話をするというのは、まずは他の人に自分をわかってほしいからかもしれません。そして自分をちゃんとわかってもらうために、相手がちゃんと自分を許容してくれているのかと、いろんな手を使って聞き出します。そしてお互いに分かり合いたいということが確認出来たら、相手との会話を心から楽しめます。当たり前ですが、そこには「自分」というものが先に立って存在しているように思います。人によっては、言葉を人をコントロールするための道具として使っていることもあります。話すということは人間に特別で、いいようにも悪いようにも使われるものだと思います。

この映画を見て、これからはもうあまり話さなくてもいいかなと思いました。猫化が進んできているなら嬉しいです。

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