良い会社風土で社員は必然と力を発揮する
グレシャムの法則
悪貨は良貨を駆逐する
16世紀のイギリス国王財政顧問トーマス•グレシャムが1560年にエリザベス1世に対し「イギリスの良貨が外国に流出する原因は貨幣改悪のためである」と進言した故事に由来する。これを19世紀イギリスの経済学者ヘンリー・マクロードが自著『政治経済学の諸要素』(1858年)で紹介し「グレシャムの法則」と命名、以後この名称で呼ばれるようになった。
たとえば、金の含有量が多くて銀の含有量が少ない金貨と、同じ直径だが金の含有量が少なくて銀の含有量が多い金貨の二種類が、同じ額面で同時に流通したとする。この二種類には、国や有力機関が保証している点で額面価値は同じであっても、貴金属含有量としての実質価値は違うため、二重の価値差が生じる。仮に、金を多く含む方を良貨、金を少なく含む方を悪貨と呼ぶ。
すると、人々は良貨を手元に置いておき、日々の支払いには悪貨を用いる傾向が生じる。なぜならば国が保証している点で両者の価値は同等であるが、そうなれば実質価値が高く、有事の際には物々交換においても有利な良貨は手放したくなくなり、日々の支払いには実質価値が低く、その差を国が補償している悪貨で間に合わせておこうと考えるからである。
大企業気質からベンチャー企業気質に
ベンチャーや中小企業は、従業員一人ひとりの生産性、スキル向上、モチベーションや失敗を恐れず果敢にトライ&エラーを繰り返し成長していく組織風土が芽生えやすくなっています。逆に、大企業では、風通しが悪いことや意思決定が行われるまでに多くの時間や工程を要する状態を指し、俗に言う「大企業病」のように保守的になる人材が増えていきます。
悪貨に代表される「保守的な人材」が増えればチャレンジ精神やモチベーションが下がり、さらに多くの従業員が、楽な方へ働き方を変えていってしまい、結果、良貨に代表される「勤勉でチャレンジ精神旺盛な従業員」が変化していくか、もしくは転職していってしまうことになります。
「いい人は会社を辞め悪い人だけが残っていく」という負のスパイラル現象になります。
やりがいのある会社では、社員は自ずとスキルを上げモチベーションが上がりイノベーションを起こします!
組織風土の4つのパターン
企業ごとの組織風土はさまざまですが、中小企業の場合は、大きく分けて以下の4つのパターンに分類されるケースが多くあります。
腐敗型(成果への意識:低い チームワーク力:低い)
・社内の雰囲気がよくなく
・社員はお互いに無関心で必要最低限の会話しかない
・業務を効率的に進めることは難しく、成果につなげることも非常に厳しい環境
社員が独断で不正を行ったり、離職率を高めてしまうなどの弊害もある
ギスギス型(成果への意識:高い チームワーク力:低い)
・成果を追い求めるあまり社員同士の協力やサポートが行わない
・職場の雰囲気はよくない
・仕事の進め方などでつまづいても誰にも相談できない
・トラブルが発生しても責任転嫁するような流れが出来上がっている
個人目標の達成を淡々とめざす組織風土の中では、社員は不安を抱き離職率を高める結果につながる恐れがある。
仲良しクラブ型(成果への意識:低い チームワーク力:高い)
・社員同士の仲がよいため社内の雰囲気は悪くないが表面上だけの場合が多い
・お互いに嫌われないようにと指摘を避ける
・社員同士の成長につながる要素が阻害されてしまうデメリットがある
経営層をはじめ、仲良くしすぎる社風を貫いてきたことが、成果への意識を低くする原因につながる
ブリリアンス型(成果への意識:高い チームワーク力:高い)
※ブリリアンス(brilliance):輝き、明るさ、優れた才気
・社員同士が切磋琢磨し、協力しあい成果を追い求められる理想的な組織風土
・仕事面でも裁量に合わせた自由な働き方ができる、
・人間関係でストレスを感じることも少ない傾向にある
・離職率が低いため、人材育成にも前向きに取り組めます。
楽しんで仕事に打ち込め、社員同士で成長する相乗効果が期待できる
まとめ
・保守的な人材を活性化されるため、マネジメント教育を行う
・業務が属人化しないように定期的に人事異動をする
・会社が常に新規事業にトライをする
引用
ONE TEAM Lab:https://media.unipos.me/organizational-climate-innovation/2