カットアウトが立つ映画館 - その1:Bangalore篇
カットアウト(Cut-out/Cutout)とは、主に南インドの映画館に飾られる、主人公などをかたどった巨大な看板である。正確なところはよくわからないけれど、映画館や映画会社ではなく、ファンが製作し、映画の公開に合わせて立てられるようだ。Single-screenの減少に伴い、カットアウトが立つ映画館も減りつつあるが、いつまでも残したい、世界遺産レベルの文化である。そこでカットアウトの立つ映画館を、わたしが把握している範囲で紹介したい(外観のみを含め、実際に見たことがある映画館のみ)。
Bangalore/Bengaluru, Karnataka
わたしの情報・経験がバンガロールに偏っていることもあるが、カットアウト文化の中心はバンガロールだと思われるので、まずはバンガロールから。
Santosh Theatre
Balepete, Chickpet, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
Bangalore City railway station(KSR Bengaluru Station)に近い、Majesticと呼ばれる映画街にある、カンナダ語映画の中心地。その時々の最注目映画が上映されることが多いので、だいたいいつもカットアウトが立っている。
写真は、カンナダ映画“Avane Srimannarayana”上映中のRakshit Shettyのカットアウト。
Nartaki Theatre
Balepete, Chickpet, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
Santoshと並ぶカンナダ語映画の中心地で、このふたつの映画館は同じ敷地内にある。同様にその時々の最注目映画が上映されることが多く、カットアウトが立つ頻度も高い。両映画館のカットアウトが並び立つのを眺めるのも楽しみのひとつである。
写真は、カンナダ映画“K.G.F: Chapter 1”上映中のYashのカットアウト。かなり大きい。
Sapna Theatre
Balepete, Chickpet, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
Nartakiと同じ建物にある映画館。Santosh, Nartakiに比べるとマイナーな映画が上映されるため、カットアウトが立つ頻度はそれほど高くない。
写真は、カンナダ映画“Jaathre”上映中のChetan Chandraのカットアウト(映画館は見えない)。
Triveni Theatre
Gandhi Nagar, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
同じくMajesticにある映画館で、2021-2022年にSantosh/Nartakiが一時閉館していたときは、カンナダ語映画の中心地であった。カットアウトはだいたいいつも立っている。
写真は、中心地であった時期の、カンナダ映画“James”上映中のカットアウト。前年に急逝したPuneeth Rajkumarの実質的な遺作の公開であったため、彼と家族のカットアウトが盛大に飾られている。
Anupama Theatre
Gandhi Nagar, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
Triveniに隣接する映画館で、カットアウトも背中合わせ。カットアウトはほぼいつも立っているが、だいたいTriveniのほうが大きいため、写真のようにちょっと気の毒な感じになっている。
写真は、カンナダ映画“Urvi”上映中のShraddha Srinath, Shruthi Hariharan, Shweta Panditのカットアウト。ヒロインのカットアウトはまだまだ珍しい。
Bhumika Theatre
Balepete, Chickpet, Bengaluru. 主にテルグ映画。
ここもMajesticにある映画館。カットアウトの頻度はそれほど高くない。(写真はタミル俳優だけど)テルグ俳優のカットアウトが立つことが多い。
写真は、タミル映画“Veeramae Vaagai Soodum”のカンナダ吹替版“Obba”上映中のVishalのカットアウト。
Abhinay Theatre
Balepete, Chickpet, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
ここもMajesticにある映画館。カットアウトが立つのは稀。
写真は、カンナダ映画“Ricky”上映中のRakshit Shettyのカットアウト。
Urvashi Cinema
Doddamavalli, Sudhama Nagar, Bengaluru. カンナダ映画、テルグ映画、タミル映画、ハリウッド映画。
バンガロールを代表するSingle-screenのひとつ。カットアウトが立つことはわりと稀。
写真は、テルグ映画“RRR”上映中のRam Charanのカットアウト。
Uma Theatre
Raghavendra Colony, Chamrajpet, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
カットアウトが立つ頻度は不明。
写真は、カンナダ映画“Swartharatna”上映中のAdarsh Gundurajのカットアウト。
※現在は休館中のようだが、詳細は不明。
Vinayaka Multiplex
Cottonpete, Bengaluru. 主にタミル映画。
カットアウトが立つ頻度はあまり高くないと思う。
写真は、タミル映画“Vivegam”上映中のAjith Kumarのカットアウト。
※2024年3月13日現在、BookMyShowにもPaytmにも上映情報がない。
Sampige Theatre
Malleshwaram, Bengaluru. 主にタミル映画。
2017年にNataraj Theatreが閉館したあとの、バンガロールのタミル語映画の中心地。カットアウトが立つ頻度はそれほど高くない。
写真は、タミル映画“Vetri Vizha”リバイバル上映中のKamal Haasanのカットアウト(これはJ先生が撮った写真で、わたしはここのカットアウトはあまりちゃんと見たことがない)。
Navrang Theatre
2nd Block, Rajajinagar, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
カットアウトはだいたいいつも立っている。
写真は、カンナダ映画“Madhagaja”上映中のSriimuraliのカットアウト。
Govardhan Theatre
Yeshwanthpur, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
カットアウトが立つ頻度は不明。
写真は、カンナダ映画“Natasaarvabhowma”上映中のPuneeth Rajkumarのカットアウト。
Prasanna Theatre
Cholourpalya, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
ここもバンガロールを代表するSingle-screenのひとつ。カットアウトが立つ頻度は高いと思う。
写真は、カンナダ映画“Majestic”リバイバル上映中のDarshanのカットアウト。
Veeresh Cinemas
Vijayanagar, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
わたしが訪問したときにはなかったが、時々カットアウトが立っているようだ(右手にカットアウトスペースが見える)。
Anjan Cinema
Mariyappanapalya, Binnipete, Bengaluru. 主にテルグ映画、タミル映画。
わたしが訪問したときにはなかったが、たまにカットアウトが立っているようだ。
Mukunda Theatre
Maruthi Sevanagar, Bengaluru. 主にカンナダ映画、テルグ映画。
写真は、カンナダ映画“Nagarahavu”上映中のVishnuvardhanのカットアウト。
映画館の建物は、現在は建て替えられて写真とは異なる。建て替え後もカットアウトは立てられているようだ。頻度は不明。
Sri Siddeshwara Theatre
MG Layout, JP Nagar Phase 6, J. P. Nagar, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
カットアウトが立つ頻度は不明。
写真は、カンナダ映画“Hebbuli”上映中のSudeepのカットアウト。
Sri Siddlingeshwara Theatre
MG Layout, JP Nagar Phase 6, J. P. Nagar, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
前述のSri Siddeshwara Theatreに隣接する映画館。わたしが訪問したときにはなかったが、時々カットアウトが立っているようだ(カットアウトスペースは向かって左側の写真では見えないところ)。
2017年ごろに建て替えまたは改築されているようで、現在の外観は写真とは異なっている。
Sri Srinivasa Theatre
Gowdanapalya, Uttarahalli Hobli, Bengaluru. 主にカンナダ映画。
わたしが訪問したときにはなかったが、時々カットアウトが立っているようだ(写真左側の植え込みのところ)。
※2024年3月13日現在、BookMyShowにもPaytmにも上映情報がない(Google mapに最近のレビューはある)。
カットアウトの写真はflickr↓をご覧ください。