ストレス性イライラ・怒り・不安・不眠解消法
「病は気から」と言われるように、病気と心の持ち方は大きくかかわっています。
ここではまだはっきりとした病気として症状は現れてきていないけれども、これをそのままにしておくと様々な病気として発展していくストレスについて、その原因と症状、対処法について紹介します。
(一)原因と症状
何故だかわからないけれど、いつもイライラしている。
何かいわれるとカットしてしまう。わかっているのに怒りを抑えられない。
胃が重く感じられる。食欲がない。
いらだちや不安でなかなか眠れない…。
という状態が続くと、様々な疾患に発展していきます。
例えば、怒ってばかりいる人は血圧が高くなります。怒っている時は、血管が収縮して、呼吸が浅くなり、血液の循環が悪くなります。
血液を身体にめぐらせようとして心臓はフル回転をしてその結果血圧が高くなるのです。
高血圧になり身体のバランスを崩すばかりでなく、対人関係のバランスも崩してしまうことになります。
また、苦手な人に逢わなければいけないと思うと、胃が重くなったり、痛くなったりします。
対人関係のストレスは胃につくと言われるように、胃が緊張して固くなってしまうのです。
また、とても悲しいことがあると食欲がなくなったり、ひどい時はものが食べられなくなったりします。
また、女性の方は女性ホルモンのバランスが崩れると、それだけでもイライラとしてつい周りに当たり散らしてしまうことになったりします。
上司に叱られた、部下がミスをしたなど、いつまでも頭の中でぐるぐるとそのことを考えていると、交感神経が優位になり、なかなか眠れなくなってしまいます。
ぐっすり眠ることができれば、身体の疲れも取れ、良い
智恵も浮かんでくるのですが、眠れないことでますます追いつめられて行ってしまいます。
これらは、日常生活の中で、誰もが経験していることですね。
その時々で感情のエネルギーをうまく外に出すことができれば、大丈夫ですが、出せなかったものが身体の緊張として溜まっていって身体に滞りを作ります。
やがてそれが、高血圧、胃潰瘍、生理痛、不眠、鬱などに発展していくことになります。
イライラしてきたとき、腹が立ったときに、その感情を相手にぶつけるのではなく、創造的にそのエネルギーを解放すると、
対人関係をこじらせることもなく、自分の身体を痛めることもなくなります。
怒りを鎮める手当ての仕方を知っているだけで、ストレスからくる病気を予防することができるのです。
ここでは日常生活の中で、湧き起ってくる自分ではどうすることもできないと思ってしまっている感情をコントロールする方法をお伝えいたします。
悪い芽は、早く積んでおくことが大切です。出た時、気づいた時に手放していきま
しょう。
(二)自分でできる対症療法
一、 鎖骨下をゆるめる手当て
二、 血圧を調整する手当て
三、 胃の緊張をゆるめる手当て
四、 三陰交をゆるめる手当て
五、 ぐっすり眠る手当て
一、 鎖骨下をゆるめる手当て
怒りでカーッとした時、またはプチ鬱でやる気がでない時など、鎖骨の下をトントンと軽くたたいてください。胸部をゆるめて、経絡の流れを整え、平常心を取り戻す働きがありますので、びっくりするほどスーッと心が落ち着いていきます。
また、鎖骨の窪みの上あたりには、「鎖骨上リンパ節」などがあります。体を流れているリンパ液が、再び心臓に戻ってくるときに最終的にたどり着く場所です。
「体のゴミ捨て場」などとも呼ばれるところで、もともと滞りやすい場所です。ここを手当てすることで老廃物などをきちんと排出できて、慢性な肩こりや首のコリ、顔のむくみなども回復させることができます。
二、 血圧を調整する手当て
血圧は年齢とともに高くなっていきます。それは、流れにくくなった血液を全身に送ろうとする身体の叡智なのです。
高いのが悪いと思いがちですが、高くなるにはそれなりの理由があります。その中でも、ストレスとの関係性はとても大きいです。
人が言い争っているのを見てドキドキしてきたり、大きな失敗をして血の気が引いてしまったり…、そんな時は血圧調整の手当てを行ってみてください。
右手親指を左手の合谷に当てて、右手中指を小指の付け根と手首の間にあるポイントに当てて、そのまま息を吐きながら右手で左手をギューッと握りしめます。
これをゆったりとした呼吸で何度か行います。
血圧の高い方は低くなり、低い方は高くなっていきます。
この手当ては自分でも行うことができますが、人にも行う事ができます。
車酔いで気分が悪くなった人、ふらふらして眩暈がする人などにこの手当をするとスーッと落ち着いてきます。
三、 胃の緊張をゆるめる手当て
苦手な人に逢いにいかなくてはいけない時、胃の中が重く感じられたことはありませんか?
対人関係のストレスは胃につくと言われています。
誰かの怒鳴り声を聞いただけでも胃が痛くなったという方もいらっしゃるかもしれません。
またあまりよく知らない人とお食事をするときなど食欲が出ないという方もいらっしゃることでしょう。
悲しみや怒りでものが食べられなくなった経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、両手の真ん中の指三本を胃にあてて、口から息を吐きながらグーッと緩めていきます。
これを三回ほど繰り返します。とても敏感なところですので、三回以上はやりすぎないようにしてください。
こうして手当していただくとびっくりするほど緊張が取れて、相手に対する苦手意識まで回復することもあります。
四、 三陰交の手当て
女性は太陽からエネルギーをもらうと言われています。男性は、女性からしかもらえないと。
なので、女性はなるべく男性に触れて、余分なエネルギーを流すと、イライラしなくてすみます。一番いいのは男女和合。
くるぶしから指三本上、骨の内側を両手の親指で何度かグーっと、両手で足を握りしめるような感じで圧をいれます。生理不純、生理痛なども解消されます。
五、 ぐっすり眠れる手当て
盆の窪の両隣りを両方の親指で圧を入れながらくるくると回して緩めます。
また、寝る前に手枕をして脳脊髄液の流れを整えます。
最高に効果があるのは、家族に両方の手を頭の下に入れてもらい、軽く指先を曲げたり伸ばしたりしてもらうこと。
盆の窪の両隣の緊張が緩み、右脳と左脳の偏り疲労がとれてゆきます。
私たちは、急に大病するわけではありません。
日常生活の中の少しずつの身体の滞りや、少しずつの心の持ち方から来るストレスによって、夜ぐっすり眠れば回復する力を失くしていって、
やがては眠れなくなってどんどん自然治癒力が働かなくなってしまうのです。
少しずつ病気になっていっているのなら、少しずつそれに気付いた時点でその場で回復させる手当てをすればいいのです。
すると体にゆとりが生まれ、心とカラダは密接な関係があるので、心もゆとりを持ってきます。
心にゆとりができてくると、物腰も穏やかになり、人と接する時も相手を大切にすることができるようになります。
すると性格までが魅力的になったように周りの人には感じられたりします。
からだにやさしく触れて、自分の手でトントンと優しくたたいたり、圧を入れたり、握りしめたり…道具は何にもいらないのです。
いつでもどこでもできます。
カラダが喜ぶことなので、頑張って続けなくては…と思わなくても続けることができます。
自分は意志が弱いと思っている人も行う事ができます。それに副作用もありません。こんないい手を使わないのはもったいないです。