【卵巣凍結後、初めての出産】中国の報告
中国でも、卵巣凍結後のはじめての妊娠出産の報告がされました。
卵巣凍結自体は世界では2004年に開始しています。
中国も2010年頃から本格的に開始、日本でも同じくらいです。
卵巣凍結はその性格上、小児がんの患者さんや若年者の緊急性の高い悪性腫瘍患者さんが対象になります。
そのような患者さんは未婚の方々も多いこともあり、凍結してから使用するまでに病状が落ち着くだけでなく、結婚という大きなライフイベントを挟む必要があります。
また、難しい点として、卵巣凍結を実施して、その後がんの治療をした時に、完全に卵巣機能がなくなった状態の方で見ないと、
「本当に凍結していた卵巣からの妊娠・出産なのか」
という証明が極めてしづらいということです。
なので、このようなFirst Live Birthの報告は大変貴重なものです。
2016年に骨髄異形成症候群と診断された患者さんに対して、
緩慢凍結法による卵巣凍結(両側から一部の卵巣を摘出)を実施。
この患者さんは、治療予定でハイリスクな性腺毒性リスクのある治療を予定されていたとのことです。
摘出された卵巣は4×8mmの切片で23個に分けて凍結しているとのこと。
2年後、凍結融解生検を行い、卵胞密度を確認しています。
3mm生検あたり33個の少卵胞ということで、かなり密度は高いように思います。(つまりしっかり卵巣機能が担保されているよってこと)
そして、6切片を腹腔鏡下で腹膜ポケットに移植。
その後、卵巣機能の回復を確認し、採卵を実施、3回目の体外受精で妊娠・出産に到達したことを報告しています。
こうした海外の報告を受けて、今後の日本の卵巣凍結もまた、動いていく、変化していくことがあるように思います。
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