男の子だけどピンク
写真は、タオルしゃぶりをやめられなかった頃の長男のすがたです。好きだったなぁ、このピンク色のタオル。
さて、「男の子だけどピンク」問題。
もうさんざ、何十回何百回何千回と議論されて来たであろうジェンダー論なんだけれど、別に男の子が淡いピンク色の可愛らしい服を着たって良いし、女の子だけど黒のランドセル背負ったってシックで良いと思う。
本人がその色が良いと思って、ちいさなその身体のでっかい頭でたくさん考えた末に「これが良い!!!」と思ったんだから、それで間違いは無いと思うんだ。
長男は黄色いものが特に好きだ。
大人気ポケットの中の怪物くんたちアニメの不変キャラクター・電気ネズミちゃんとか、可愛くって丸っこくって黄色いのが特に。
ピンク色も好きだし、うさぎさんとかくまさんとか、可愛らしい動物のモチーフはとても好き。
そんな彼的には、最近す○っこぐらしが気になるみたいだ。
まぁ間違いなく丸っこくて、程よく淡い黄色とかピンク色なんかのカラーリングがあって。
3歳段階でDQ45と判定されていた、まだ殆ど喋れもしない長男の目に、隅っこで暮らしてるその丸っこい生き物たちがどう映っているかは知らないが、何やら惹かれるものはあるらしい。
本人が『ほしい』という意思表示を見せたら、財布等々と相談の上でなるべく買ってあげようと思っていつも意思確認をするのだけれど、可愛らしいマスコットの描かれたステーショナリーや衣類なんかの殆ど全てが「女児向け」売り場にあったりする。
偏見ってわけでなく、まぁたまたまかもしれないが。何なら衣類には『GIRLS』の表示があったりなんかしちゃったりして、なんだかそれはちょっと肩身が狭いなと思ったり。
たしかにデザインとしては男の子にはファンシーすぎるかもしれないし、可愛すぎるのかも。
まぁでも未就学児のうちはとくに、いいんじゃないの。そこまで気にするもんですかね。着る側が気にするなら分かるけど、作る側が、「男の子にはこっち!」「女の子にはこっち!」っていう前提で作るのはあんまり嬉しくはないかな。
特に、男の子には恐竜と自動車と電車を与えとけば丸く収まるだろ!みたいなスタンスのこの世の中の子供服売り場の風潮、あんまり有り難くはないですねぇ……(本当に、100サイズを超えたら突然男子服はジュラシックパークだし、電車と車と星、色は黒と青と緑!!!みたいなものだらけになっちゃう。あれが切ないんだよなあ。女児向け服コーナーの黄色やピンクのフリフリを着たいと泣いていた在りし日の長男のすがたを思い出す……)。
購買層やターゲットを絞った方が売りやすいし、狭めておいた方が確実なマーケティングがしやすい。分かる。すごく分かる。
でもそれは大人の都合かな。
めちゃくちゃ分かるんだけど、選ぶ側のちいさな彼らには全く関係ないことだなぁとは思う。
子どもを産んで見て初めて、彼らは「女の子にはピンク」とか「男の子には青色」とかいう固定概念を一切持っていないんだ、と、気づかされた。
男の子でもピンク色が良ければそれを着たがるし、何なら気に入ったら『毎日着る!!!』と言って泣きじゃくって聞かない。この寒さじゃ乾きもしないので、大人のわたしは泣く泣く真夜中に乾燥機をかけたり、あと少しで乾きそうな脇やポケットのあたりをドライヤーで無理やり乾かす羽目になったりするのだが。
わたしの世代はまだわりと、「男の子には青や黒」「女の子には赤色」で育てられた世代だ。
だからこそ、すごく純粋な、ちいさな彼らの「これがいい!!!」は、大切にしていきたいな、と、強く思う。
だから、「男の子だけどピンク」でも良いし、「女の子だけど青色」だってなんだって、別に構わないでしょうよ。
ちいさな彼らに、大人の都合で古くさいジェンダー概念を押し付けるのはやめにしたい。小さいうちからそういう情操教育は望ましくないんじゃないかな。だって大人の都合だし。それで得するのは大人だけかなって思ったり。
ひとりの親としては、そんなことを思ったり考えたりしています。
そんな長男は今、女の子向けの売り場に売られていた、本人セレクトの可愛らしい鹿さんの靴下を履き、ハッピーセットのおまけのおもちゃのプラレールを走らせながら、今日のパジャマを黄色にするかピンクにするか青色にするか、ちょうど悩んでいるところです。
長考。
まぁ、好きにするとええです。
母は、きみの「やりたい!!!」が自発的に出て来たことがすごく嬉しいので。
世の中にはTPOとか制服とか冠婚葬祭とか、わたしときみの一存だけじゃどうしようもならないことはままあるから、まぁその辺と折り合いをつけながらうまくやっていけたら良いよね、と思う。
たとえ何色でもどんな色でも、きみはきみのままで大きくなっておくれよ。
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