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読書#01|好きなことがわからない全ての人へ
こんにちは。
本が好きが高じて図書館司書の資格を取得、就職・転職に苦労し、なんだかんだ20代ずっと就職活動をしていた経験を活かしたいと思いキャリアコンサルタント資格を取得、転職を繰り返しながらも結局は教育業界で約10年働いた私が、おススメの本を紹介します。
本日の1冊「15歳からのブックガイド」
考えることを人生にプラスする
時代もジャンルも問わず、専門家が選びぬいた一冊を集め、これからを生きる人たちに向けて送る珠玉のブックガイド。表面的なわかりやすさに流されることなく、しかし平易に綴られた文章は、たんに読者に一冊の概要を知らせるのではなく、その書物の向こうに広がる知の宇宙へと読者が旅立つためのスタート地点の役割を果たしてくれるだろう。
初っ端からすこし余談になってしまいますが、私は何度か転職を経験しています。
普段はそんなにネガティブになることもないのに、就職活動のために、いざ自己PR文を書くぞ!となったとき、
「自分が何がしたいかわからない」
「好きなこと、やりたいことなんてない」
「人に紹介できるような長所なんてない」
と、一気に自信をなくしてしまって苦しくなってしまうことがありました。
そんなときによく行ったのが本屋・図書館です。
本屋や図書館には、色々なジャンルの本がたくさん並んでいます。目的は持たずにたくさんの本の前に立つと、自然と、自分が好きなジャンル、気になる言葉、目を引く写真やイラストに吸い寄せられます。
あぁ、忘れていたけど、私はこれが好きだったんだ。
と、本の前で感じることで、自分の軸を認識する。
私はそんな風に、本屋と図書館を利用しています。
実際に本の前に立たなくても、同じことができるのが、この「15歳からのブックガイド」です。
誰に読んで欲しいか
この本は、タイトルに「15歳」と書いていますが、高校生でも大学生でも、社会人でも、多くの人がこの本から色々なことが学べると思います。
30代の私でも読んでいて楽しかったし、なんなら少し難しいな、と感じることもありました。笑
もっと具体的にどんな人にこの本がフィットするかと考えたところ、
例えば、
▶文系か理系か悩んでいる高校生
▶進学する大学や学部を決めかねている高校生
▶自分の好きなことが、どう社会で活かせるかわからない高校生や大学生
▶色々な学問分野に関する本を探している人
▶やりたいことと、社会で求められていることに乖離を感じている人
そんな人たちに、この本は役立つのではないかと思っています。
どんなことが書かれているか
この本の構成は、「各分野に関する本を、専門家たちが紹介する」
というスタイルになっており、政治・建築・法・医療・歴史などの学問分野だけでなく、傷・占い・抵抗・未来などの分野まで、全部で32分野あります。
単なる本の概要説明ではなく、書き手が何を以ってその本を選び、本の内容がどのように各専門性や、現代の社会問題とつながっているかが書かれています。
個人的にすごくいいな、と思ったポイントがあります。
それは、必ずしもその分野に関する専門家が、その分野の本を紹介しているわけではないということです。
例えば、
経済分野については、文化人類学の専門家の方、
食分野については、生活史研究家の方が、本の紹介を行っており、
専門性とは単一で成り立つものではないことに気づかされます。
以下、読みやすいと感じた経済分野の紹介を少しだけ。
ここでは、私も大好きな小説『モモ』の作者である、ミヒャエル・エンデが、遺言として残した一本のテープをもとに編まれた本『エンデの遺言』を取り上げています。
世界的なベストセラー『モモ』を書いた、エンデ。じつは彼は、数多くの貨幣に関する書物を読み、そこで得たヒントを作品を通して表現することで、お金を根本から問い直そうとした人でもあった。〈中略〉エンデがさまざまな作品を通して変えたいと願っていたのは、こうしたお金自体が商品となり、売買される社会の問題であったのだ。
『モモ』という作品を通して、エンデが何を考え、社会へ何を伝えたかったのか…という、文学研究を行い、お金の価値とはなにか、経済活動とはなにかを教えてくれます。
よって、この15歳からのブックガイド”経済”を読むだけで、
文学・地域社会・時間・文化人類学・貨幣価値などへ、興味関心を広げることができました。
繰り返しになりますが、
専門性とは単一で成り立つものではないことに気づくこと
これが、ものすごく大事なことではないかと思います。
今、自分の好きなことがある人は、好きをもっと広がるきっかけに。
好きなことが見つからない、何かを好きな気持ちがしぼんでしまっている人は、好きを探すきっかけに。
この本を読むことで、そんな風に感じてもらえたら私もうれしいです。
この道はあなたのために開かれている
あなたが好きなことはなんですか?
幸せだと感じる瞬間はありますか?
自分の気持ちを無視していませんか?
人と比べてばかりいませんか?
あなたが何かを好きだと思う気持ちは、絶対に誰にも侵害されないし、あなたを救うセーフティーネットでもあります。
その気持ちを大切にしながら、自分の進む道を探していきましょう。
私も一緒に頑張ります!